2017年08月16日

哲学対話セミナー(NSDセミナー)

8/14-15の2日間の、松川絵里さんの進行によるNSD(ネオ・ソクラティック・ダイアローグ)セミナー(@岡山)参加してきた。

参加者6人限定で、朝10:30-16:30から両日というスケジュールだったが、二日目はやや延長戦ありで。
内容について細かく話すことはできないが、そのやや苦い経験を含めて、すばらしい体験だった。
はじめてのNSDセミナーが、松川さんの進行での経験となって、とてもよかったとおもう。

共同による真理の探究として、哲学対話を進めていく。

抽象度のある一般的な問いを立て、その上で、時間をかけて具体的な例を選び、吟味し、描写し、再び一般的な問いに対する答えを探す。

私自身が行っている対話による紛争解決の考え方、実践との共通点も非常に多く見つけることができた。また、こうした進行のためには、ラボラトリートレーニングで大事にされている方法や構造についての知見も役に立ちそうだと思えた。
例の記述というナラティブを大切にするという意味で社会構成主義的だとも思ったし、自分の実体験を例に挙げるという意味で、つまり、体験に根ざした言葉に限定して思考しようとするラディカリズムを感じた。

なかなかディープだったのだけれど、さしあたりは、この程度の記録にて。

facebook: 哲学者の対話レッスン

2017年07月30日

2017二弁仲裁センター夏季合宿@熱海

二年前に引き続いて、二弁仲裁センターの夏季合宿に参加させていただいた。
二弁仲裁の原点を考えるということで、原後山治弁護士の人となりや考え方を再訪しようという企画だった。
当初、今回は一参加者というつもりだったが、いろいろ出番は与えられた感じになった。

1日目は、山崎司平先生(日弁連ADRセンター委員長で、二弁仲裁センター開始時の仲裁人のひとり)からの基調講演があり、その後、中村芳彦先生のコーディネートによるパネルディスカッションがあった。パネリストは、太田勝造先生(東京大学教授)、斉藤睦男先生(仙台弁護士会)、農端康輔先生(二弁仲裁センター嘱託)と山崎司平先生。
山崎司平先生は、原後先生から、「オレの若い頃に君は似ているそうだね。大いにやってくれ」と言われたといった昔話も紹介されていた。
山崎先生は、誰がどんなことを言ったといったことを実に詳しく記憶しておられる。
太田先生が原後先生について話されていたことにも知らなかったことも含まれていた。原後先生の奥さんは元女優で大恋愛だったとか、学生運動での逮捕歴があって、司法試験合格後の司法修習の許可がすぐに認められなかったとか。
二日目には、太田先生が、ADRの利用者調査の結果報告の基調講演をされ、そのあと、自分も話をした。その後、やはり中村芳彦先生のコーディネートでのパネルディスカッションが続けられたが、山崎先生が初日で急遽帰られたので、私もパネリストに加わることになった。
同席別席の話題になったときに、上原裕之先生が、「当事者は同席時と別席時では違う表情を見せる。両方の顔を見ないで調停するなどというのは無責任とさえ言える」と発言されていた。

最後は、各会からの活動報告で、東京弁護士会では、面会交流ADR、学校教育ADRの取り組みを行っていること、愛知県弁護士会ではハーグADRで、Reuniteとの合同プロジェクトを始まっていることなどが紹介された。東京都行政書士会での自治体の相談現場にリーフレットを持って回るという「営業活動」が功を奏し、相談や申立が少しずつ増えてきているという取り組みも紹介されていた。

司法書士の方もこの合宿に参加したら良かったのにと思った。

2017年07月21日

群馬県・太田市の住民協議会

住民基本台帳から無作為抽出によって選ばれた市民を委員とし、特定のテーマ(行政課題)について話し合う協議会。
1500人に呼びかけ、そのうち50人を委員とする仕組みで、「健康づくり」をテーマに話し合うことになるらしい。

太田市|太田市住民協議会を開催します

住民協議会|構想日本の活動一覧|構想日本

2017年07月10日

仲裁ADR法学会

今年の仲裁ADR法学会は、阪大(豊中)で。

環境ADRについてのシンポジウムがあり、公害等調整委員会についても報告があった。

公害等調整委員会は、重装備の手続で、さらに「調査」については、当事者負担なく国庫負担の仕組みになっている。

仲裁ADR法学会について、さる民訴学者は仲裁法の研究報告がしづらくなっていることを嘆き、さる法社会学者は民訴学会っぽい雰囲気になってしまっていることを嘆いておられた。

誰もがアウェイな学会ということか。

元茨田高校の教員だった池田径さんの連載記事を読んでいた。

大変味わい深い。

……私は、「生まれてくることはすばらしい」という話からは入りません。親からの虐待があったり性別違和の問題を抱えている子どももいるからです。  まず、この世界に生まれてくることの不条理について問いかけます。「いきなり人生が始まって、自分の希望とは関係なく姿形も性別も家族も決められていて、あとは死に向かって生きていくだけ」ということの不条理です。この輪の中にいる全員がその不条理の中で生きていることを確認します。  その上で、この不条理は実は奇跡とともにあることを伝えます。……  誕生日は、あなたが不条理にもこの世界に送られた日ですが、周囲の人たちにとっては、あなたという存在を贈られた日です。 P58-59

池田径 (2016) 「ピアメディエーション教育で安全安心な学校環境を(第5回)「バースデイチェーン」による"存在の肯定""自他の尊重"」 月刊学校教育相談, 30(10), 56-59.

2017年07月04日

JAAでのメディエーショントレーニング

2006年から開催している仲裁人協会の調停人養成講座だが、2年ぶりに、7月1日、2日の2日間に実施できた。


多彩なバックグラウンドを持った26名の参加があり、充実したやり取りがあったと思う。

中級編は、10月14日、15日に開催予定だけれど、実施できるだろうか。

2017年06月23日

LSAメキシコ2017

3年間連続で、LSAに参加してきた。今年は、熊本の地震ADRについての簡単な報告をしただけ。

興味深い話をいろいろ伺ったが、シンガポールのDorcas Quek Andersonさんとお話ができたのがよかった。
[ssrn] Dorcas Quek Anderson

メディエーションに関してのセッションは必ずいくつかある。イタリアの実証調査の話や、トルコのメディエーション法施行の話なども聞いた。

Responsive Judgeという言葉が使われるようになってきているらしい。石のように無反応な中立性ということでなく、血の通った人間として裁判官がふるまうことが望ましいという考え方のようだが、具体的にどんなふるまいをするのがResponsive Judgeなのかは、解釈が分かれる。貧困者に住宅シェルターの提供を決めるといった福祉的な活動を指す場合もあれば、当事者本人に話をさせるとか、うなづいたり応答するといったレベルのことも含まれるという考えもあるようだ。

イギリスの法のコモディティ化(Commoditization of Law)の議論(Annette Morris先生, Cardiff University)も興味深かった。この言葉は、具体的には、personal injuryのケースで、手続の標準化が進み、「ソーセージ工場」のように流れ作業で問題が解決されているという現状を言っている。ディスカッタントのRob Leflar先生が、日本の交通事故処理の「赤い本」を思い出した、とおっしゃっていた。が、ソーセージ工場方式の何が問題なんだとい風に思う日本の裁判官や弁護士も多いだろうなと思いながら聞いていた。

米国の書面作成支援(ghost writing)の議論も面白かった。ABAによる書面作成支援の規制があったのだが、報告者であるJona Goldschmidt教授の論文などが影響して、書面作成支援が自由にできるようになってきたらしい。それでも、連邦レベルでは問題視される問題が残っているらしい。

2017年06月15日

ライフストーリー・レビュー

先日の対話調停カフェでは、ライフストーリー・レビューという方法を試した。

過去のあまり話したことがない話題を取り上げて、聴き手に話をし、次の区切りでは語り手と聴き手が一緒にふりかえるというやり方。

何のことはない世間話にも似た、だらだらとした話をしているようにも見えながら、本人にとっては、それ自体が重要な活動であるように感じた。

私自身が語り手も聴き手も試した印象からの感想としては、何か新しい解決が生まれたりということは起こりにくいが、なんとなく漂っている過去の経験に、場所が与えられる感じだった。その経験に場所が与えられたことで、語り手自身も安心する。
聴き手としては、語り手が探り探り話していることに同伴する感じで、自然に応援したくなる気持ちが出てくる。ゴシップ好きに興味本位で聞きたくなるような欲求は出てこなかったが、これが常にそうなのかはよくわからない。

聴き手の役割として、語り手の語りを邪魔しないようにはするが、無私な傾聴というやり方とは異なり、当事者性を持った聴き手として関わるところが、このやり方のミソだとおもった。

支援者自身が当事者性を持ちつつ支援をするやり方を学ぶためにも、よい手法であるようにも思えたし、今後も続けたいと思った。

頭で考えれば、事例検討会にも似ているように思われるが、実際の体験としては相当異なる。

PCAGIPも、ライフストーリー・レビューもベースがエンカウンターグループにあるだろうと思うが。

高松里『ライフストーリー・レビュー入門:過去に光を当てる、ナラティヴ・アプローチの新しい方法』(創元社・2015年)

2017年05月29日

法社会学会学術大会@早稲田大学

飯孝行先生のコーディネートによる東日本大震災関係の津波訴訟についてのシンポジウムが大変興味深かった。
当事者や代理人も参加されており、学者だけのセッションとは少し違う雰囲気のなか進められた。

大川小学校の事件とともに、七十七銀行女川支店、私立日和幼稚園事件についても詳しく報告された。
ほとんど知らない内容だったのだが、とても考えさせられた。

2017年05月27日

法社会学会学術大会@早稲田大学

今回は発表もなく、話を聞きに来ている。

法社会学会70周年の記念大会。

備忘のためのリンク。

養育者支援によって子ども虐待を低減するシステムの構築

2017年05月24日

LLMの授業が終わった

今年、2回目の英語での大学院の授業を終えた。

前年に最終日だけ調停ロールプレイをしてもらったら、感想にもっとやりたかったというのがあったので、今年は交渉ロールプレイや、技法のスキルプレイなどの活動もしてもらった。

グループプレゼンテーションでは、ビデオを自作するチームも多く、結構ノリノリでやってくれた。

BeerさんのMediator's handbookと、Handbook of Dispute Resolution (Moffitt&Bordone)のいくつかの論考などを使って授業を組み立てたのだが、改めて、とても勉強になる。

もう少し改善したいところもあるが、ひとつには、自分の英語能力がボトルネックになっている。
感想を読んでいたら、先生はゆっくり話すのでわかりやすいですと書いてあった。ゆっくりしか話せないんですけど……変な英語でゆっくりしか。

英語を使うと、英語の勉強をしなければなと思う。細々とは続けているが、一生うまくなれる気がしない。



紛争管理研究センター

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