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2007年06月 アーカイブ

2007年06月01日

ルビ付き日本の近代史

小熊英二[2006]『日本という国』(理論社)

明治初期には、義務教育のことを強迫教育と言っていたらしい(原語はcompulsory education)といった、なかなかキャッチーな話題から始まって、戦前・戦後に形成された「この国の形」をざっくりと記述したもの。

ざっくりと書かれているが、論拠としてはしっかりしているものだけを使っているようだ。それでも、1945年2月に近衛文麿が進言した降服交渉を昭和天皇が拒否したという、天皇の戦争責任に直接関係する話など、こうした話を聞きたくない人からすれば、「何を言っている」と言われそうな部分についてもしっかりと書いている。

まあ、言ってみれば、古き良き岩波・朝日的なポジションからの発言ということにはなるだろうが、すべての文字にルビが振られている過剰さなどからしても、知的誠実性を軽視しムードに流れがちな最近の風潮になんとか掉さしたいという迫力は伝わってくる。

2007年06月03日

[絵本]わらっちゃった

次男が図書館で借りてきた本。

けんかした子どもが、夜中に鬼になってしまって、おばけ寄席につれていかれ、さんざん笑った後に、やはり鬼になっているけんかした相手に出会う。
鬼同士がにらめっこをするのだが、つい笑ってしまう・・というお話。

けんかしている二人の間に入っておろおろしていたしーちゃんという女の子は、三つ目になって、やはりおばけ寄席に行くのだ。

2007年06月04日

仲裁とADR Vol.2

仲裁ADR法学会の機関誌の第二号が出た。

中村芳彦先生が弁護士会ADRについて書いておられる。
これには、ブログではなく、論文で応答しなければ。

土地家屋調査士会の松岡直武会長の境界問題相談センターについての報告の事例も興味深い。

他には、大阪大学の野村美明教授、福井康太准教授、元裁判官の草野芳郎教授の論考なども掲載されている。

ADR JAPAN:仲裁ADR法学会

2007年06月06日

A5ルーズリーフ

A5サイズのバインダーを買ってみた。

【FOB COOP】 バインダー A5 (20穴) - WHITE - Yahoo!ショッピング

便利だと思っていろいろ挟み込むと、あっというまに重くなるなぁ。
樋口健夫ワールドにどんどん進んでいるような・・

2007年06月08日

井上馨

林真貴子先生の勧解についての論文を読んで以来、明治の元勲の井上馨に関心が強くなっている。

馨(声が香る)とか聞多(聞くが多い)とかの名前を持つように、書き言葉ではなく、話し言葉の人だったのではないか。
鹿鳴館時代と結び付けられる人物だが、裁判官を外国人にするという話まであったくらいだから、社会の欧化による近代化に疾走したはずだ。

海音寺潮五郎の悪人列伝 (近代篇)では、維新後の汚職疑惑について書かれているようだが、長生きをして、黒幕として長く影響力を持ったようである。
どんな人物だったのか気になっている。

萩博ブログ : 東洋美術の保存につとめた井上馨―「長州ファイブ展」より⑦―

2007年06月09日

弁護士会のADR機関リスト

日弁連 - 紛争解決センター

仲裁統計年報

2007年06月10日

NY州のADR制度

New York State Unified Court System Alternative Dispute Resolution

11Mドルの予算。約36000件。

2007年06月11日

A5パンチ

最近、A5ルーズリーフに、手帳システムを移行した

それで、A4横に20穴の穴を開けるパンチを買ってみた。

☆ Welcome A5Punch.com ☆A5パンチ・カード式アルバム手帳

このサイトのデザインはかなり・・だけど、A4の紙を横向けてルーズリーフに綴じられるのは便利。
ただし、1枚ずつ穴をあけるような作りになっているので、大量処理には向いていない。

2007年06月13日

つい、調べすぎてしまう

7月に国内出張が決まって、Yahoo!トラベルを使っていたら、やはり格安だけあってか、対応がいまいちな会社もあるらしいことがわかってきた。
特に、混雑しているときの対応が問題になる。

いろいろ調べていると、JTBや日本旅行も案外リーズナブルな航空券とホテルのセットの商品を出していることも分かった。
エースJTB首都圏発:出張応援価
日本旅行:出張パック
JTBの「激たび」では、ANA、JALともに取れる。日本旅行はJALだけのようだ。

***

ともあれ、無事に行けますように。

2007年06月14日

MT4

Movable Type 4日本語版が登場--秋にはオープンソース版も - ZDNet Japan

このブログでも使っているMovable Typeの4.0が出るということに加えて、オープンソース化が決まったようだ。

ソフトウェアの生き死には、技術よりむしろ、マーケティング的なところで決まってしまうことを考えると、これはよいニュースだろう。

2007年06月15日

Mediation UKがなくなっている

POCOさんに、イギリスでショックなニュースがあったと教えていただいたので、少し調べてみたら、Mediation UKがなくなっていてビックリ。

Community mediation | ADRnow

Mediation UK was the national umbrella body for community mediation, with more than 120 member services as well as individual mediator members. However, in October 2006 Mediation UK went into voluntary liquidation, and there is currently no umbrella group for community mediation services. As of April 2007, the Mediation UK website is no longer live, so this is no longer the place to find contact details for local community mediation services. In January 2007 a new on-line Directory of UK Mediation was set up. This provides a searchable database of community mediation services in the UK, which will be kept up-to-date.

2006年10月に解散ですか・・

2007年06月16日

細川幸一『消費者政策学』

細川幸一[2007]『消費者政策学』(成文堂)

読まなくっちゃ。

2007年06月18日

平田オリザ先生の講義

コミュニケーションデザインの「デザイン」というところに焦点を当てた講義として、どんなのがあるのかを質問してみたら、キャンパス内で舞台空間を見つけ、即興の演劇を行うという授業があるということを教えてくださった。

おもしろそう・・だが、どこかで、事例紹介などあるのだろうか。

2007年06月19日

日本裁判官ネットワークのサイト内でのADRの紹介

日本裁判官ネットワーク:訴訟手続と裁判外紛争解決手続(ADR)は車の両輪

2007年06月21日

60年代のTグループ

関計夫[1965]『感受性訓練―人間関係改善の基礎 』(誠信書房)

東大・教育学部の図書館で借りてきて読んだ。
感受性訓練というタイトルだが、内容はTグループについて書かれている。
著者は、執筆時点では九州大学教授。

同じことを今行えば問題になりそうなことも載っているが、手作りで実践してきたことを具体的に紹介してあり、「使える」なあと思うところも多々あった。実際に現在の南山でやっていることと重なっているところも多く、Tグループの参加経験者にとっては特に、なるほどこういう意図でああいうことをやっていたのかと合点が得られるだろう。

続きを読む "60年代のTグループ" »

2007年06月22日

Carrie Menkel-Meadow先生の読書会

神戸大学CDAMS-Web | 研究活動アーカイヴ:Carrie Menkel-Meadow教授の読書会

80年代に、小島武司先生が、Carrie Menkel-Meadow先生の論文の紹介を行っている。
(『アメリカ法』、1986―1,p131~136、1986.5)


2007年06月24日

法学セミナー:特集「新しいADRの世界を見る」

法学セミナー2007年7月号:特集「新しいADRの世界を見る」

総論:ADRの基礎知識
(早稲田大学教授 和田仁孝)

ADR法とは何か
(一橋大学教授 山本和彦)

「対話型」ADRをどう理解するか
(法政大学教授 佐藤彰一)

現実の機能をみる:境界問題相談センターの動きから
(愛媛大学専任講師 和田直人)

渦中にある論争領域:医療事故紛争ADRの構築
協働型医療ADRの試み
 (医事紛争研究会 西口 元)

対話型の医療事故紛争ADRについて
 (法政大学教授・弁護士 中村芳彦)

医療事故紛争ADRの構築の背景と今後の展開
 (早稲田大学教授 和田仁孝)

2007年06月25日

あなたへの社会構成主義

ケネス・J・ガーゲン、東村和子訳[2004]『あなたへの社会構成主義』(ナカニシヤ出版)

 私は学部学生の頃、「科学的な」心理学のトレーニング――実証的方法論、厳密な測定、統計的分析を用いることによって、心の機能に関する真実に接近できるという期待にもとづいた心理学におけるトレーニング――を受けました。・・これはある意味、職業上のトリックです。  ・・・  私はもはや、このような研究をすることはないでしょう。・・何よりも大事だと思うのは、「真理を確立する」ことを目的としない研究のもつ価値や可能性について、もっと議論していくことです。・・「科学的な」解釈が社会に広まった時、いったい何が起こるのでしょうか。それによって何かを得るのは誰でしょうか。反対に、失うのは誰でしょうか。どうすれば、私たちは共に未来を作り上げたいと願うようになるのでしょうか。 P86-87

こうした立場に立つ本は昨今少なくないのだけれど、
・著者の私の立場からあなたへの語りかけという形式が貫徹していること
・様々な学問分野における研究成果を貪欲に渉猟してきたものであり、記述量が多いこと
という特徴がある。

現代西洋人がひとりで書いた『思想の科学事典』といった趣きの本だ。

メディエーションについてもかなり詳しく読み込んでいるようで、『ハーバード流交渉術』はもちろん、"The Promise of Mediation"なども紹介されている。
メディエーションも含めて「モダニズムの世界観に深くとらわれている」「個人主義的な見方が想定されている」という紹介のされ方ではあるが、思想の最先端の話にもこうして登場している状況は、やはり日本での議論とは大違いだと思える。

2007年06月30日

長崎でワークショップやることになりました

タイトル:「話合いによるもめごと解決入門」

開催日:2007.7.7(土)
開演時間:13:30~17:00

主催:長崎伝習所、メディエーション研究塾
http://www1.city.nagasaki.nagasaki.jp/denshusho/boshu19_f.html

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