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『福祉的アプローチで取り組む弁護士実務』

弁護士とソーシャルワーカーの協働を考える会『福祉的アプローチで取り組む弁護士実務』を読んでいます。非常に興味深いです。

『弁護士のための初めてのリーガル・ソーシャルワーク』も良い本でしたが、まずは「やってみました」「やってみましょう」というスタンスでした。他方、『福祉的アプローチで……』は、「弁護士としての仕事を精緻化させるために、福祉的アプローチを取り入れる(平林)」というスタンスで、踏み込んでいます。著者間の関係性の深さが生きていると感じます。

巻末の座談会で、坪内弁護士が、福祉は優しい人がやるもので、自分には関係がないものという意識がかつてあった、という発言をされていて、ユーモラスを感じさせるとともに、考えさせられました。支援的リテラシーは、自分は優しい人間ではないと思っている専門職こそ必要なのかもしれませんが、そこが届きにくいポイントだろうと思います。

また、鈴木愛子先生が、家事は本来福祉的アプローチが必要とおっしゃっていてとても共感しました。

弁護士になる前に福祉職の経験を持っている安井弁護士が、福祉の側も結局は人で、福祉につなぐという意識だけでなく、福祉の誰にどうつなぐがイメージできていないと、という趣旨の発言をされていて、このあたりにも、現状とあるべき姿のギャップの大きさを考えさせられます。

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2020年02月25日 18:12に投稿されたエントリーのページです。

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