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2009年05月 アーカイブ

2009年05月01日

OKWaveの人生相談

不倫になってしまうのでしょうか? - 教えて!goo

こういう事件は、民間調停(メディエーション)が非常に向いているのではないかと思う。

不倫をした側から家裁に夫婦関係調整で持っていくというのも難しいだろうし、労働基準監督署にパワハラで相談してもらちがあかないだろう。民事調停での損害賠償請求も考えられなくはないかもしれないが、そういうお金が欲しいというのでなく、こうしたへんな男のことは忘れ、奥さんに嫌がらせされずに仕事をしたいというのがニーズだろう。

不倫をした相手と夫が今も同じ職場にいるのが耐えがたいという正妻の気持ちももっともである。
悪いのはこの男だが、「『もうお互い訴えてくれ。俺が悪い。』との開き直りとも見られる態度のままで相談にも応じてくれません」だから、はっきり言って膠着している。

原後山治氏がかつて、不倫の側からの申立は、弁護士会仲裁(和解あっせん)でメリットのでる一事例だと話している。
第二東京弁護士会編(1997)『弁護士会仲裁の現状と展望』(判例タイムズ社)
70頁。

2009年05月02日

3/16静岡でのシンポジウムの報告

対話のチカラ 報告

対話のチカラ・ドットコムというURLがすてき。

2009年05月03日

フォーラムg

フォーラムg

というイベントがあったようだ。
行きたいなと思ったが、気付いたら既に満席だった。

源流(genryu)のgかもしれないが、グル(guru)のgかなと。

中野民夫 インタビュー

今は、ファシリテーションの基本は「グループサイズ」と「問い」だと思っています。

以前ある人が「中野さんの個人的なミッションは?」って聞いてくれて、そのときスッと出てきたのは、聖フランチェスコの祈りの「神よ私を平和の道具としてお使いください」ではじまる一節でした。
「やれることはやりますから、使ってください」という感じで、あまり自分で余計な思いを持たないようにしているところがあって、今もそこはそんなにはずしていない気がする。

──(参加者)ファシリテーターは、ぶれないんですか?
中野:ぶれるでしょう。ぶれるし、迷うと思うよ。でも、自分から離れて迷ってしまっているのと、自分ではあるけれども迷っているのとでは、ずいぶん安定感が違いますよね。ぶれたり迷っていても、自分自身であることはできる。


企業社会は変だから行かないんじゃなくて、変だから行こうと思って中へ入った。


西田真哉 インタビュー

〈自己啓発〉を売り物にしてきた人たちを、僕はたくさん見てきました。彼らのことを、非常に否定的に見ています。

でもね、ファシリテーターによっては、非構成的エンカウンターグループでも突然エクササイズを使うこともあるんですよ。

そういう人(引用者注:ズレが大きい人)がファシリテートしたら、それはむしろアジテーションのようになるでしょうな。社会運動の領域には、そういう性質のものが多いと思うよ。

──(参加者)ファシリテーターは、あまり極端な価値観を持っているべきでないと思いますか?
西田:いや、どんなファシリテーターも、当然それぞれの価値観を持っていますよね。その価値観が明らかにされていて、共鳴する人たちが集まっている。あるいは目的がハッキリしている。そういう場は、それでいいと思います。

でもポイントは、価値変容を強要しないし、誘導もしないということです。

ものすごく大事なことや。自己を否定している人が他人に関わるっていうのは、そもそもしんどいことやし、無理があるし、相手にとっても迷惑なことが多い。

のあたりが、特にとても興味深かった。

2009年05月04日

ファシリテーションフォーラム2009

FAJ:特定非営利活動法人 日本ファシリテーション協会 - 2009年5月23日(土)~24日(日)“ファシリテーションフォーラム2009”@お台場

両日とも参加することにした。

2009年05月05日

敷金についてのADR

日本住宅性能検査協会ADRセンター/日本不動産仲裁機構

敷金バスター:敷金,敷金返還,敷金トラブル,原状回復,敷引き,減価償却,通常損耗,特約,ガイドライン

敷金トラブルに特化した活動をしているようだ。

わたしも何度も引っ越しをしているが、敷金についてはいつもよくわからない。
少額訴訟でも典型的な紛争の一つにされているようだが。

2009年05月06日

紛争解決の儀式

大磯の村を開いたのは、崇神天皇の頃に、出雲の氏族が移り住んだのが始まりということらしい。
柳田氏という一族を祭った柳田大明神が、今の六所神社になっている。

昨日見てきた「国府祭(こうのまちと読む)」では、座問答という祭りが中心イベントになっている。
その「座問答」は、大化の改新の際の、地域再編に伴う実際にあった紛争を儀式化したものと言われている。

紛争の中心は、寒川神社と川匂神社がどちらが一宮かを争ったということだが、仲裁者は第三の比々多神社の宮司になっている。力は劣る第三の登場人物が仲裁を図るという構造になっている。
「国府」という行政上の中心地は、結局、鎌倉幕府成立以前に使われただけだが、鎌倉幕府の保護も受けてその後も祭りが続いたということらしい。

以上は、大磯ガイドボランティア協会作成の資料の受け売り。

去年のエントリー:いずれ明年まで

2009年05月07日

仲裁ADR法学会大会

少し不思議なWebサイトで案内されているが、今年の仲裁ADR法学会・大会のプログラムが決まったようである。

今年のテーマは、「調停人養成に関する課題」。

http://www.nichijuken.org/index_files/oshirase.html

Wordファイル

平成21年度(第5回)仲裁ADR法学会大会のご案内

日 時 : 2009年7月11日(土)10時30分~17時30分
開催校 : 早稲田大学

● 個別報告(10時30分~12時30分)
(1) 川嶋 四郎 会員 「ADRと救済」
(2) 菅原 郁夫 会員 「心理学的な視点から見た調停技法の意義」

● 総会(12時30分~13時00分)

● シンポジウム(14時30分~17時30分)
テーマ:「ミディエータの養成における課題」
コーディネータ : 山田 文 会員(京都大学)
ゲストスピーカー:
Jay Folberg 教授(サンフランシスコ大学名誉教授、アメリカ)
     専門:紛争解決論、民事訴訟法、家族法
     略歴:カリフォルニア大学バークレー校(JD)
        サンフランシスコ法科大学院長(1989~1999)、アメリカ法科大学院ADR部会会長、家事・調停裁判所協会会長等を歴任
     主な著作:Lawyer Negotiation:Theory,Practice,and Law(Aspen2006)
          Mediation:The Roles of Advocate And Neutral(Aspen,2006)

Laurence Boulle , AM 教授(ボンド大学、オーストラリア)
     専門:憲法、労働法、調停・紛争解決論
     略歴:ステレンボッシュ大学(LLB)、ロンドン大学(LLM)、ナタール大学(PhD)。現在、University Governance Dean,Faculty of Law(Acting)。連邦政府ADR諮問委員会委員長(1999~2003)。
主な著作:Challenges to Multilateral Trade : The Impact of Bilateral, Preferential and Regional Agreements(Kluwer, 2008)
         Mediation:Skills and Techniques(Lexis-Nexis Mathew Bender,2008)

垣内 秀介 会員(東京大学准教授)

2009年05月08日

十分な時間をとって話し合います

愛知県弁護士会紛争解決センターのパンフを見てたら、以下のような記述が出てきた。

Q3 どれくらい時間がかかるのでしょうか?
早期で円満な解決を目ざします。おおよそ3ヶ月程度で解決するよう、関係者の皆さんが努力します。そのため、1回ごとに十分な時間をとって話し合います。

早い解決を目指すけれど、むしろ期日内では、丁寧にじっくりと手続を進めるという宣言を、非常に簡潔な文で表現していてすばらしい。

ただ、残念ながら、現在は少し表現が変わってしまって、十分な時間を取った話し合いという部分がなくなってしまったようだ。
Q7:解決までの期間はどれくらいですか

2009年05月09日

利谷信義先生の講演

今日から法社会学会大会@明治大学

先だって、昨日は、利谷信義先生による初期の法社会学に関しての講演があった。
利谷信義先生ははじめてお目にかかった。
77歳ということだが。

穂積重遠先生の弟子であった来栖三郎先生の民法の講義のなかで、自分にとっての法社会学の出会いがあったという話、東大セツルメント(亀有)での活動の話もされていた。

来栖先生の講義のおかげで、最初から、穂積、末弘、戒能、川島といった人を非常に近しく感じていたそうだ。

亀有のセツルメントのなかでは、夫が家出したあとの奥さんから相談されて、離婚を手伝うといったこともしたそうだ。裁判所の調停の前段階の援助を行うという意識があったという話もしていただいた。

セツルメントで活動すると出世できないよと先輩から言われていたということだが、実際には出世した人がとても多かったんじゃないだろうか。

利谷先生ご自身の人柄がとても魅力的で、感じるところも多かった企画だった。

2009年05月10日

法社会学会大会中

一昨日、利谷先生が、1955年体制ができあがっていくということに川島武宜は自覚的だったのではないかという話をされていた。
利谷先生は、そうはっきりおっしゃったわけではないが、「現在は体制の再構築中のはずなのだけれど、学問の側で、どうも決め手に欠けている」と感じておられるようだというところが、印象に残っている。

ところで、『末弘厳太郎と日本の法社会学』を読み直してみた。
六本佳平、吉田勇(2007)『末弘厳太郎と日本の法社会学』(東京大学出版会)

戦後に行った末弘厳太郎の4回講義の速記録が収録されている。

興味を引いたのは、「法現象の社会学」と「社会学的法律学(社会科学を使った法学)」の対比という議論で、末弘自身もパウンドの立場である後者に近い立場を保ったのではないかと六本先生が分析している。

講義で、末弘が「最低限身につけておけ」と言っている内容は、わたしから見れば十分に高度すぎるのだが、その膨大な知見からすれば確かにエッセンスだけを伝えようとしている感じがする。

まず最初に、「法社会学の性質及び方法」という問題を考えなければならぬ。私は元から、実は学問の性質及び方法論というのは、相当学問してから後で気がつくことで、入口で方法論に興味を持つことは、自分の学問の進歩を妨げるという考えを持っておるので、長年やって来てようやく自分を顧みて、方法だとかいうようなことをこれからお話しするのでありますが、だんだんにやってみようという方に、初めから方法ということを気になさることをお勧めする気は、毫もないのであります。 P104(末弘厳太郎第四講)

"Stay hungry, stay foolish"で、めげずにやっていくのが大事なんだな、と思う。
元気を出していこう。

2009年05月11日

法社会学会大会・続き


「法曹の新しい職域」研究会の報告書をいただいた。

かなり厚い報告書であるが、途中には、アンケートの自由記述欄もあっておもしろそうだ。

弁護士には、名弁、良弁、並弁、悪弁、経営弁の5種類が居ると書いている弁護士回答者がいた。

わたしが以前会った方で、弁護士は大きく二つに分けて、はったり系と、じっくり系がいるという話をしている人もいたが。

こういう分類の仕方そのものもおもしろい。

過去のエントリー:企業内弁護士に関する調査報告書

2009年05月12日

米国ADR専門家のインタビュー集

英語の勉強にも良さそうな、スクリプト付きインタビュー集。

Beyond Intractability: Expert Interviews

Ray Shonholtz

John Paul Lederach

William Ury

Peter Coleman

Morton Deutsch

Deborah Kolb

Larry Susskind

Sarah Cobb

2009年05月13日

事例研究の方法論

二弁の事例検討会に出席させていただいて一年になるが、とても勉強になる。
メディエーショントレーニングの考え方とはかなり違うところもあるが、見るからに誠実そうな弁護士による話などを聞けることも多い。
年に一度の夏季勉強会には他士業からの参加も認めていてふところが深いところを見せている。

当事者が特定できないようにかなり配慮した報告になっているが、それでも紛争解決の様子で伝わることは多い。
非常に有意義な活動だと思う。
弁護士会でも事例研究を行っているところは限られているが、本来は、必ず行った方がよい種類の活動に思える。

ひとつの事例でも、よいことばかりでなく、考え方が分かれるような微妙な論点もでてくるところがある。

事例研究に参加している人が、なるほどADRはこういう風に良いが、このあたりは課題かとか、実感として持てれば、ADRへの持ち込み案件も増えるだろう。
逆説的だが、限界を見せてもらえた方が、かえってその相手を信頼できる。

例えば、臨床心理の世界ではもっと事例研究の作法などは確立しているとも思われるので、他分野の状況も調べていくと参考になるだろう。

ADRの促進といった場合に、案外、こういう心配、懸念材料にひとつひとつクリアするための議論を積み重ねていくことが大事かなと思う。

2009年05月14日

ライオンズクラブでメディエーション?

以前、米国で調停に長らく関わっておられる方と、日本でどうやって新しいスタイルの調停を広めることができるだろうかと話をしていたときに、「ライオンズクラブやロータリーズクラブに話を持っていったら」と助言されたことがある。

それを聞いたときには、日本では誰もそんなことは考えたことがないかもしれないと思った。
確かに地域に根ざした活動をしている団体だし、目先の利益を目指さず、公益的な活動をしている。

正義へのアクセスを増やそうという話と、司法を効率化するためにADRを使おうという話では、ADRについての動機づけが異なってくるが、前者の位置に立った政策としては、まだまだ検討されていない選択肢があるのかもしれない。

この本↓おもしろそうだ。

非属の才能 - 情報考学 Passion For The Future

2009年05月15日

もちはもち屋

研修ビジネスを行っている会社で、役員をやっている方の話を聞いた。
役員と言っても30代前半で若いのだが、有名なグループ会社の一つを事実上動かしている人物だった。

研修ビジネスでの営業セールスをやっている実感として、「交渉トレーニング」というタイトルでは売れないよと教えていただいた。「営業研修」はあっても、「交渉研修」はないと。

その方がおっしゃっていたので印象的だったのは、これまでは「コミュニケーション研修」と言えば7割方、「コーチング研修」だったのが、少し潮目が変わってきているという話だった。

あまり考えていなかった切り口の話も教えてもらえて、勉強になった。

2009年05月16日

「言ったもん負け」の時代

ある会合が終わってちょっとしたときに、今は、組織の中で正論を言いづらい時代じゃないかという話になった。

正論を言う自由はある・・のだが、しばしばそれは、言った本人が責任を取るということもセットになっている。
支援も得られず、逆に、付随的責任も押しつけられるかもしれない・・

どんな発言にも責任がとらされるということでは、建設的なことが何も言えなくなる。

ファシリテーションが、企業文化の中に入ろうとしているのは、そういう文脈があるだろう。
ファシリテーターの華麗なスキルがある、その場だけでも自由で開放感があるという状況を作り出すことができるとしたら、それ自身、意味があるということになるのかもしれない。
メディエーションとか、コンセンサスビルディングとかは、そのようなファシリテーションスキルを、企業の内部の成文法的な制度と整合性を持たせ、継続的にマネジメントしていこうとする方法論だと言っても良いのかもしれない。
まだ、日本の企業組織では、ソフトウェアとしてのメディエーション・セットを導入しているところは見あたらないが、病院でここまで流行しだしているのだから、可能性は大きいだろうと考えている。

かつての日本の製造業ではQCサークルなどの、職場を民主化する手法で、製品品質改善につなげていったという歴史がある。デミング博士の方法論は、どこの国よりも日本で使われたという。

現在求められているのは、ホワイトカラーの職場を民主化する手法で、生産性を向上することだろう。あるいは、生産性を向上するというレトリックで、ホワイトカラーの職場を民主化することか。

2009年05月17日

被害者加害者関係

http://vom.jp

http://www.e-shops.jp/local/lsh/an/12/9779073.html

http://www.la-okayama.com/hanzaihigai/hanzaihigai.html

2009年05月18日

消費者庁は道州レベルで

以前、米国の州司法長官(Attorney General)事務所を見学したことがあるが、日本にも道州司法長官または道州消費者庁を置いたらよいのではないかと、かねてから妄想している。

市民生活へのインタフェースを持っているお役所というのは、いろいろな人を相手にしなければならないということもあって、最初はよくても、段々と、防衛的に組織が固くなっていってしまう傾向があるとおもう。

そうした役所のなかで、他の自治体と同程度の機能を果たせという横並びのロジックしかないと、現場で「合法的に仕事を断る理由を探し始める」・・といった形で、後ろ向きなスパイラルに落ち込みがちになるのではないか。

選挙で選ばれた道州司法長官なら、有限の資源をどこに割り当てるかというリーダーシップを発揮できる。そうすれば、もう少し前向きになるのではないかと思えるのだ。

わたしは、現状でも、消費生活センターの相談員の方などは、報酬の割に、総じて熱心で優秀だと思っている。限られた環境で良心的に働いている人が多いと思っている。
「選挙」という制度が入ることで、現場の工夫が、制度的根拠を持てるようになって、より元気が出るのではないかと考えるのだ。

道州制度はなかなか着手できないが、こうした機能を限定した役所ならば、あまり大きくなくてもよいので、現実性もあるように思える。最初は、助言権限だけに限定しても良い。

NPOその他との協働についても、道州レベルくらいなら、具体的な施策を行いやすいのではないだろうか。

法テラスや、商工会議所、あるいは簡裁など別系列の組織とも、道州レベル位でなら施策を作りやすいのではないだろうか。

2009年05月19日

調停、参加要請のハウツー

The 6 Steps to Convening Mediations

調停に参加を求める場合の方法、コツを紹介している。

エレベータートーク(エレベーターの中で説明できる位に簡潔な説明)を作っておくのが大事だと言っている。
「お金と正気さを残して離婚するのを手伝う場所ですよ」とか「あなたのような忙しい弁護士さんを助ける活動ですよ」とかの例を挙げている。

専門分野を設定するのが有効だと言っている。
とても具体的だ。

費用のことは、あなたが心配するほど問題ではないのだそうだ。西洋文化では、という但し書き付きだが。

2009年05月20日

法と言語 学会

法と言語 学会

先日、「法と言語 学会」の設立大会(@明治大学)に行ってきた。
こぢんまりとした学会運営に好感を持って、つい入会してしまった。

「法と言語」と「学会」の間にあるスペースは、何の意味があるんだろう?

どちらかというと刑事畑の学者が多いようだ。

2009年05月21日

穂積重遠は子どもと一緒でも仕事ができる

穂積の語録はおもしろい。

法律をふりまわす法律万能主義は、法律家としての勉強が足りないから出てくるのだと言っている。

しろうと、というのも、なかなかに法律をふりまわすと言っていて、法律にふりまわされないために、調停には法律家も入るのが良いと言っている。

調停とは関係がないところだが、子どもが部屋で遊んでいても、気にならずに仕事ができるという話を見かけた。
何げなく書いてあったが、わたしは、異常な話だと思った。

2009年05月22日

管轄だけにしぼってADRのプロモーションを考える

訴訟になれば、相手方の住所での裁判になる。

たとえば、相手方が会社の場合で、本社が遠くの場合にも、裁判では管轄合意できない限りは、相手方本社住所での手続になる。

まず、支社相手でいいから話し合いたいというような場合、調停が向いているだろう。
裁判所の調停でもいいかもしれないが、裁判所にはできれば行きたくないという人には、民間調停を勧められる。

別のケースで、親族関係の場合を考えてみる。
相手方は年に一度、申立人の近くに戻ってくる機会がある。
申立人としては、日時調整などは相手方の都合を優先してよいので、場所については申立人の住所の近くで、話し合いたいと思っている。

具体的には、介護がらみの相続問題やファミリービジネスの話し合いなんかではぴったりではないかとおもう。家族だけで話し合うと、どうも言いたいことがお互い言えないという状況があるだろう。

ここまでくれば、裁判所の調停で話し合うよりは、もう少し問題解決のプロによる支援(ファシリテーション)が欲しくなるのではないだろうか。

Win-Winとか、感情とか、本音とか、そういう言葉を使わずに、民間調停のメリットを具体的に説明したい。

2009年05月23日

中島敦が戦中に書いた小説

ふと、中島敦の短編小説が気になって、読んでしまった。

西遊記の沙悟浄を主人公にした、「悟浄出世」「悟浄歎異」の二つの小説がある。
元祖、重症ブロガーみたいな、自意識過剰な独り語りがとてもおもしろかった。

中島敦(1994)『山月記・李陵 他九篇』 (岩波文庫)

青空文庫:中島敦 悟浄出世

2009年05月24日

FAJ2009 1日目

FAJ:特定非営利活動法人 日本ファシリテーション協会 - 2009年5月23日(土)~24日(日)“ファシリテーションフォーラム2009”@お台場

「ペア・ファシリテーション~インプロでつながるワークショップ~(村野秀二氏)」と、「ファシリテーション "私のルーツ"(松尾公博氏)」に出た。

私にとって、インプロは初体験。村野氏は、キヌガワユリさんといっしょに活動をされている方らしい。もう一人、たかこさんとおっしゃる方が、ペアファシリテーターとして参加されていた。
営業研修や、チームビルディング、リーダーシップ研修などに加えて、「仕事への関わり方を考える」ための研修という文脈でも行われているようだ。失敗してもOK、とりあえず体から入ってみるという発想を学ばせる、体を動かすと感じることも変わる・・こういうシンプルなメッセージだけを伝える。

動かないこともOK、動きたくない自分もOKということはかなり強調されていて、そのあたりはなるほどと思った。一つ間違えると、駅前で大声で歌ってみよう的なモーレツ研修に誘導できるという危険があるので、身体系のワークショップこそモラルが大事だ。

もう一つの、「私のルーツ」という方は、2人や3人で話す小グループ活動が中心だった。メインテーマの「ファシリテーションを知る前に、ファシリテーター的役割を果たした経験」を考え、話し合うのはなかなか楽しかった。同じグループに入った人がたまたま新潟の方で、関川さんの話でひとしきりもりあがることができた。いろいろ縁があっておもしろい。

参加者も、芸のある人が多い感じ。

2009年05月25日

FAJ2009 2日目

スタッフに聞いてみると800人位の参加だったそうだ。専従スタッフもなしによくこれだけのイベントを回している。ローソンのチケットシステムを使ったのも省力化の一環だったそうだが、確かにノウハウを持った人たちが集まっている。理事を5年で完全に入れ替えるという方針を持っているらしい。

二日目は午前は、「NPO運営とファシリテーション(徳田太郎氏)」、午後は「人間関係ファシリテーションへの誘(いざな)い(人間関係ファシリテーション 横浜勉強会)」に参加した。

午前は、NPOや市民団体そのものの内部での話し合いが難しいというテーマで、グループディスカッションが中心の進行。

徳田氏のファシリテーションがあまりに見事だったので、彼の本(ブックレット)も買ってみた。

徳田太郎 『NPOの会議、こうすればうまくいく』

「運動は事務なり」というのは、市川房枝の言葉だそうだ。
セネカの言葉「困難だからやろうとしないのではない。やろうとしないから困難なのだ」という言葉も紹介していた。
どうやら、決めぜりふコレクターのようだ。おもしろい。
徳田氏は、JMCのトレーニングにも参加経験があるらしい。
メディエーションにも関心があるようだ。

午後のセッションは、2時間で完結するように工夫されたグループプロセスアプローチだった。

アイスブレークの仕方や、「問い」のつなぎ方みたいなことに関心を持って参加していた。
必然性のある構成にするためには理知的に考えを詰めることがやはり大事、それとともに、参加者と自分自身を信じた「いい意味での開き直り」みたいなこともやはり大事と、改めて感じた。

わたしは、異業種交流会的なアグレッシブさがどうも苦手で、そういう雰囲気を全体としてかなり強く感じたのだけれど、小さめのセッションを選んだこともあり、参加して良かったと思っている。

2009年05月26日

久しぶりのADR法認証機関:鹿児島県社労士会、滋賀県調査士会

http://www.moj.go.jp/KANBOU/ADR/itiran/ninsyou-index.html

鹿児島県社会保険労務士会
滋賀県土地家屋調査士会

東京都行政書士会も取れたらしい。
http://www.gyosei.or.jp/topics/topic_106.html

2009年05月27日

岩波・「思想」五月号は思想の科学特集

「思想というとき、それをいだく態度が問われる。態度をかっこに入れて、その人のもつ知識の多少、高低を問うのでは足りない。」(鶴見俊輔)

その人のしていることが、その人の思想を表現している。
まぁ、しかし、その人がそれをできるのは、その人をとりまく環境が許しているからであるとも言える。

2009年05月29日

ABAのメディエーション品質に関するレポート

ABA: Section of Dispute Resolution: Task Force on Mediation Quality

米国弁護士会(ABA)の2006年の調停の品質に関するレポート。

2009年05月30日

個別労働紛争解決制度の統計(2008年度)

厚生労働省:平成20年度個別労働紛争解決制度施行状況

前年の7000件から、8500件とさらに増加のペースを上げている。

しかし、本当に労働事件が、この程度の件数しかないのかというと違うだろうと思う。
依然として、圧倒的多数は泣き寝入りを選んでいると思う。

行政型の「紛争解決の質」というのもとても気になる。
基本的に誠実にやっておられるからこそ、件数が増加しているんだろうが、税金を投入している事業であるということと、実際にかなりつらい立場にある人たちの人生の立て直しの場面であることを考えると、もうすこし中身がわかる研究や報告を発信していくべきではないだろうかとおもう。

ついでに言うと、権威のある機関が無料でこういうサービスをすると、民間では何もする余地がないように感じる人が多いようだが、役所には役所の限界があり、調べていくと当事者ニーズと合致していないところが出てくると思う。例えば、労基署に相談に行く前に知っておいたほうがよいことをまとめてあるだけでも意味がある。

2009年05月31日

仲裁とADR Vol.4

仲裁ADR法学会の「仲裁とADR Vol.4」が送られてきた。

論説、実務の潮流、海外文献紹介も興味深い論考が多い。

まだ、アマゾンでは売っていないみたいだ。

過去のエントリー:仲裁ADR法学会大会
7/11@早稲田大学

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