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2014年11月 アーカイブ

2014年11月01日

ハーグ調停の研修

2日間の研修会だが、受講者として参加させていただいた。
講師はイギリスRenuniteのAnne-Marie Hutchinson、Alison Shalaby、Sandra Fenn、大谷美紀子さん。

Reunite International

受講者は、弁護士、調停委員、外務省の担当グループだった。

国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約(ハーグ条約) | 外務省

2014年11月03日

谷川俊太郎と伊藤比呂美のイベント

宅老所よりあいが主催する「老楽講座」というものを聞きに行ってきた。これ
800人ほどの会場が満員。

よりあいと谷川俊太郎さんのつきあいは20年に及ぶそうだが、伊藤比呂美さんは今回初めての交流だったそうだ。

よりあいは老人ホームを作るために、数億円の資金集めをしていて、来年の開所に向けて、ほぼ最終段階にあるらしい。
ジャムを売ったり、地元のバザーなんかで焼きそばを作ったりと、非常に地道な活動を積み重ねてきたそう。

ふたりとも、自己中を突き抜けて詩人になったような人たちでありながら、この活動には一肌脱ぐよという気合いがひしひしと伝わってきて、濃密な時間だった。

伊藤比呂美さんが、(瀬戸内)寂静さんの位置を狙っているという話をしていて可笑しかった。
ほら、人生相談もしているし、仏教も勉強しているからぴったりじゃない、ということらしい。

2014年11月05日

調停人名簿にチーム制を

調停人名簿にチーム制を導入したらよいのではないかと考えている。

名簿を整備したらあとは機械的に割り振りみたいなことではなく、それぞれのチームが特徴を出して自分たちの活動をアピールし、それを当事者(や代理人)から選んでもらうようにする。

チームは、チームリーダーを決めて、その人のリーダーシップを活用しつつ、グループとしてのまとまりを育てていく。

実際の調停があれば、チームでその実務をふりかえる。

手続の進め方についても、実体的知識についても、チーム単位で主体的に研究する。

時には、複数のチームが合同で学び合う。

チームのメンバー構成としては、一緒に仕事をしたいなぁと思える人同士で組む。

チームの人数規模は4人から8人くらいが適当ではないかと思うが、柔軟で良いとは思う。

こうした仕組みを導入し、具体的なチーム活動を支援する環境を整えれば、調停の質がかなり向上できるのではないかという気がする。
単なるアイデアに近い話ではあるが、私は効果に関しては、それなりの感触がある。

どこかのセンターで採用してもらえないだろうか?

2014年11月10日

先週の東京出張

風邪を引いてしまってなかなか抜けない。

木曜日に東京大学・石崎雅人教授の招きで、調停に関する入門的な講演をさせていただいた。

石崎研究室 » 2014情報行動論セミナー第1回

もう少し基礎的な話を中心に組み立てるべきだったかなと反省の残るプレゼン内容になってしまったが、参加者の面々も興味深い方々で、こちらがもっと詳しく話を聴かせて欲しいという感じだった。

金曜日には、日本司法書士会連合会の企画で、家事調停に関する座談会に参加させていただいた。司会は細川眞二先生、司法書士としては広島から清水佐智子先生が参加。梶村太市先生、杉井静子先生と家族法分野の大御所な方々を前にどうしようという感じだったが、率直な(あるいは率直すぎる)コメントをいくつかさせていただいた。本の一部に収録して下さるそう。参加者は面白い話し合いだったと皆おっしゃっていた。名司会ということかも。

2014年11月11日

要するに

 ……要するに、――聖者たちの言葉を借りるならば、――私はなるべく「恩寵とともに」ある状態で生きて行きたいのである。(中略)
 ……自分の生活の或る時期では「恩寵とともに」あり、別な時期では「恩寵を失った」ように感じるというのは本当ではないだろうか。「恩寵とともに」ある幸福な状態では、どんなことでも直ぐに片づいて、何か自分が大きな波に乗っている気がするのに、その反対の状態では、靴の紐を結ぶのにも一苦労なのである。尤も、恩寵の状態にあるとないとに拘らず、私たちの生活の大きな部分が靴の紐の結んだりすることの技術を習得するのに過ごされることに変わりはない。しかし生活することにも技術があって、恩寵を求めるのにも技術があるとさえ言える。そしてそういう技術を習得することもできる。 21-22頁

アン・モロウ・リンドバーグ著 吉田健一訳『海からの贈り物』新潮文庫

2014年11月13日

Reuniteモデルで考えたこと

先日のReuniteの調停についてもいろいろ興味深い話を伺った。
メインのトレーナーをつとめられたSandraさんは、ソーシャルワーカー出身だということだった。
ソーシャルワーカーとしては指示的(directive)だったので、調停を学ぶのには苦労したとおっしゃっていた。

調停人は8人しかおらず、そのメンバーでずっと実施をしているという。事前アセスメントを重視するので、調停手続になる件数はさほど多くない(年間15件くらい)ため、その人数で可能だという。
むしろ、「一緒に調停をやりたい」と思えるような人に調停人になってもらうことが重要だという。

2日連続で合計9時間になる集中型の調停プログラムを運用しているという話も興味深かった。
初日は午後だけで3時間、2日目は午前午後で6時間実施する。初日の夕食は、離れて暮らす方の親が子どもと食事を取る場合が多いそうだ。
国際的な子どもの連れ去り問題に特化しているので、期日間隔を置いた悠長なプログラムよりは集中型で行った方がよいということらしい。

分野を上記のようなモノに限定しない前提で、プロフェッショナルな進行さえできるなら、1日あたり6時間といった集中的なメディエーションへのニーズは日本でも十分にありうると、わたしは思っている。
週末9時間とか、12時間というモデルもありえるかもしれない。

文脈を家族問題に特化とか、職場の問題に特化とか、何らかの限定を行った方が、提供者側も利用者側もやりやすそうだとは思う。

ADRの認知度が低いとか、司法調停が安すぎるとかいった漠然とした話をいつまでもしているべきではなくて、もう少し地道な「商品開発」にとりくむことが日本のADRには必要だとおもっている。

2014年11月15日

愛媛和解支援センターで研究会

事例研究会の開催。ひとつの事例については、申立人本人が研究会に参加。

非常に充実していた。

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