続々 JBワークショップをふりかえる
Jennyは、フィラデルフィアのコミュニティ調停があまり活発でないという極めて率直な話をされた。
確かに、フィラデルフィアは、活発でない州で、確かにあまり件数が伸びていないようだ。しかし、それでもこのようなサービスをするところがどの地域にもあって30年以上運営されているという事実は大きい。1つのローカルなセンターで30から40件の調停を成立させているという事実は、あまり軽視すべきではないと思う。さらに、ローカルなセンターレベルでも少年司法関係など、様々な関連サービスに活動を伸ばしていて、単純に停滞しているというわけではない。
さらに言えば、カリフォルニア、フロリダ、メリーランドのような活発な州では、非常に多くの調停が行われている。フロリダでは、裁判所からの紹介だけで12万件という推計がある。
ひるがえって、日本の弁護士会ADRセンターは19年目で、まだ申立は全国25単位会(29センター)で千件にすぎない。成立はさらに少なく400件強である。
つまり単位会当たり単純平均すれば申立は40件で、成立は20件以下などという数字になる。
業界型ADR機関などは、調停に関しては開店休業も多い。
アメリカ人が、アメリカの調停が思ったほど伸びていないという話をしたときに、少し注意して聞かないといけない。安易に日本の状況にひきつけて想像すると間違える。