堀公俊, 加藤彰,加留部 貴行[2007]『チーム・ビルディング―人と人を「つなぐ」技法 (ファシリテーション・スキルズ)』(日本経済新聞)
巻末にアイスブレーク集があって、半分はこれを目当てに買った。ファシリテーション協会のサイトで紹介されていたものとかなりかぶっているが、さらに増えて全部で120個整理されている。
ファシリテーション本の次に、チームワーク本に移行するのは、『会議が絶対うまくいく法』の次に『チームが絶対うまくいく法』を書いたデイヴィッド・ストラウスのやり方を類推させる。
ちょっと気になっているのは、ファシリテーションは、ある意味一期一会的な時空間への働きかけのスキルということでよいのだが、チームワークを考えるときには、組織というチームの上位の存在をどう考えるかという点である。
もっと突っ込んで言うと、組織の目的設定がまともでなければ、うまくいかないチームワークは成員を守る働きがあるのに、それをうまくいかせてしまうと、まともでない組織に成員を動員する方法になってしまう。
そうならないためには、ファシリテーター倫理も必要だが、単なる個人のスキルというより、もう少し手続設計的な視点が必要だと思う。
例えば、ISOの消費者ADRでは苦情を単に聞きおくだけでなく、会社組織がそこでのメッセージを生かすプロセス設計が求められている。同様に、会社内チームビルディングでも、その部分がないとと思うのだ。
以前のエントリ:同じ著者による『ファシリテーション・グラフィック』