堀公俊、加藤彰[2006]『ファシリテーション・グラフィック―議論を「見える化」する技法』(日本経済新聞社)
日本ファシリテーション協会の会長と関西支部長の著作。
ファシリテーション・グラフィックの考え方、方法を包括的に解説している。
懇切丁寧というか、とても親切な本で、便利な道具集(p196)には、模造紙に書くために三菱のプロッキーがいいとか、模造紙を貼り付けるためにガムテープではなくて養生テープ(セキスイ、マスクラフトテープ)が良いとか、とても実際的に役に立つ話を紹介している。
ときどき見返して、少しずつ挑戦するところを増やしていくというような使い方をする本だとおもう。
イラストもすぐに描けるネタを5つくらいでも持っているといいとか・・
正直に言うと、ロジックツリーとかMECEなフレームワークとして4Pとか、3Cとかを紹介しているくだりなどは、元コンサルタントとしては同属嫌悪的な感情が沸いてこないわけでもないが、しかし、こうしたものも必要といえば確かに必要だろうとは思う。
ところで、LifeHackネタであったり、こういうコミュニケーションアップのためのスキル集みたいなものが、だんだん注目されてきている。
気恥ずかしく、薄気味悪い側面もあるけれど(初対面の人とアイスブレイクなんかして打ち解けたくなんかないよとか・・)、詰め込み勉強主義を補償するためにはやむをえないんじゃないだろうか。
しかし、さらに勉強しなければならないことが増えるという矛盾。