園井ゆり(2013)『里親制度の家族社会学: 養育家族の可能性』 (MINERVA社会学叢書)
社会学の研究書なのだが、大変興味深い。
里親にインタビューをしているので、里親側からの視点で問題が語られる。
児童相談所としては、実親の意思を尊重せざるを得ないが、「生木をひきはがすように」して里親から離される(P183)ケースがあり、そうまでして引き取った実親は1週間で育児を放棄する。その後また里親宅に戻るが、しばらくするとまた実親が引き取りたいと言ってくる。そしてまた実親に引き渡し、実親が1ヶ月で児童虐待。
その後、その子は、児童養護施設に送られる。実親が言った言葉は、「この子が幸せになるのは許さない」「この子が幸せになるのは、・・さんとこで幸せに生きていくのは絶対許さない」。