宮本 節子『ソーシャルワーカーという仕事』(筑摩書房・2013年)
ちくまプリマ―新書なので、高校生から大学生にかけてが読者の対象で、職業としてソーシャルワーカーになる可能性のある若者にその仕事の実態を経験を踏まえて書くというスタイルになっている。
実際に紹介されているのはなかなか激しく、道で酒を飲んで行き倒れになっているホームレスに声をかけた経験、知的障碍者の放火事件について本人は責任能力があったという裁判証言した経験、実父からレイプされていた中学生を施設に移すために当時の制度からみてやや危ない橋を渡ったという経験などが語られる。
ご本人がうつになった経験があることがちらりと触れられていたが、福祉事務所の保身みたいなことを苦々しく感じていたとあるように、職場の中でもずっとたたかってこられた方なのだと思う。
わかりやすく書かれているけれども、迫力がある。