明治安田生命:女性外交員6人、パワハラ集団提訴へ 所長ら相手取り - 毎日jp(毎日新聞)
明治安田生命:女性外交員6人、パワハラ集団提訴へ 所長ら相手取り生命保険大手「明治安田生命」(本社・東京都)の大阪市内の営業所に勤めていた保険外交員の女性6人が近く、男性所長(当時)のパワーハラスメント(パワハラ、地位を利用した嫌がらせ)によって体調を崩したり会社を辞めざるを得なくなったとして、明治安田生命と所長を相手取り慰謝料など計3850万円の損害賠償を求める集団訴訟を大阪地裁に起こす。
訴状によると、原告6人は06年当時、明治安田生命今里営業所(大阪市東成区)で保険外交員として勤務。同年4月に就任した男性所長が▽気に入らない外交員を「そんな態度だから契約が取れんのや」などと怒鳴る▽お気に入りの外交員にだけ便宜を図るなどの差別▽書類管理ミスなどの名目で私的に罰金徴収--のパワハラを繰り返したと主張。その結果、体調を崩すなどして、退職する外交員が相次いだという。
原告の一人(50)がパワハラとして07年3月、本社コンプライアンス部門に内部通報。しかし本社は対応しなかっただけでなく女性に口止めを図り、さらに所長に通報者の存在を知らせた。職場で「犯人捜し」が始まったため、女性は自らが通報者であることを告白。そのため原告は他の営業所員や同僚から約2時間「死ね」「営業所のがん」「早く辞めろ」とつるし上げられた。頭痛や不眠などの症状で体調を崩し、適応障害と診断され、現在も休職中。大阪中央労働基準監督署から08年11月に労働災害として認定されている。
他の原告5人も体調を崩すなど、退職せざるを得なくなった。中には現在も働くことができず、生活保護を受けている原告もいる。
原告の一人は「会社はパワハラを認め、しっかり謝罪してほしい」と訴えている。
保険外交員は営業ノルマが厳しいうえ営業所長の裁量が大きいため、パワハラが横行しているとされる。パワハラは「言葉の暴力」が多いため証拠が残りにくく、表面化しにくい。しかし集団訴訟で証拠能力が高まり、パワハラの認定が受けやすくなるという。明治安田生命広報部は「まだ(提訴の)事実関係を確認できていないのでコメントできない」としている。【日野行介】
この事件がなんとも嫌な感じがするのは、この生保が大手というだけでなく、内部通報があった後の、本社の行動がひどすぎるところだ。
内部通報の結果、それを現場に丸投げしている。
現場では早速、「犯人捜し」がはじまっている。
これでは内部通報制度を信じたものがバカを見る。
日本の会社は総じて、「稼ぐ現場」に対して、管理部門は権力を抑制的にしかふるわないという特徴がある。
従業員軽視と、それが結びつくと、かなり悲惨なことになる。
こういうときに頼りになるのは、管理部門よりもむしろ「別の稼ぐ部門の長」であったりする。
しかし、物言えば唇寒し的な風土が蔓延すると、よその部門について、誰も何も言わなくなる。