さる方から家事調停のマニュアルをお借りして読む。
その本に、
「軽々しく家庭裁判所の内情を口外しないこと。複雑多岐な家庭裁判所の活動が単純化されて一般に伝わり、思わぬ誤解を受けることがないとは言えないからである。」
と書いてあった。
軽々しく口外してはいけないくらいだからブログに書くなんてもってのほかだろう。
だから、そのマニュアルのタイトルをここに書くのは控えることにする。
しかし、調停委員が、「軽々しく口外しない」だけで、誤解を受けぬことが広がる時代だとは思えない。
むしろ、積極的に、その価値を世の中にアピールすべきだろうと思う。
調停委員による相談会や模擬調停会などの形で、世の中に対してアピールをする動きもあるが、こうしたことはとても良いことだと思う。
民間ADRとの比較で見れば、裁判所での調停は贅沢(もしくは恵まれている)側面がある。
イコールフッティングにするべきと言って現状の裁判所でのサービスを切り捨てるべきではないと思うが、健全な競争がはぐくまれるためのあり方はもう少し議論されても良いように思う。
ADR法のスキームだけで、裁判所と民間ADRが競争できる環境ができたとはとても言えないからである。