橋爪 大三郎[1985]『言語ゲームと社会理論―ヴィトゲンシュタイン ハート・ルーマン』(勁草書房)
現在は、東工大の教授の橋爪大三郎先生の若いころの作品。代表作というか出世作らしい。
ヴィトゲンシュタインの言語ゲーム論を、丁寧に紹介しているが、独自の理解ではあるのだろう。
そのあたりがよくわからないので、別の本も読まないといけないのだろうが、この本のように明快なものはそうそうないだろう。
「言語ゲームが遂行的(performative)な事態である」ということと、「われわれの日常生活や日常言語は、ヴィトゲンシュタインのなかで、至高の現実としての位置を占める」ということが、主題であり、また、様々なことを考える手がかりにもなる。
言葉には、論理があるから意味が伝わるという側面と、その次の行為が約束されているから信じるという飛躍を敢えてできるという側面がある。後者を徹底的に考えるアプローチと言えるだろう。
過去のエントリー:ケネス・J・ガーゲン『あなたへの社会構成主義』