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宮本みち子『若者が『社会的弱者』に転落する』

宮本みち子[2002]『若者が『社会的弱者』に転落する』(洋泉社新書)

福祉政策としての若者支援を、海外の政策との比較を引きながら論じたもの。
読みやすいし、情報量がある。

転換期にある若者をどのように支援したらよいかを考えるよりは、若者バッシングになりがちなのが近年の特徴となっている。とくに、社会の中枢にいる団塊の世代が、自分の子ども世代にあたる若者をバッシングの対象としている点に、日本の奇妙な世代間関係が凝縮されている。 P44

と、書いてあるように、若者バッシングに対して批判的な立場をとっている。

ベネッセの調査結果を引いていたが、45.8%のお母さんが、「自分は子育てに向いていない」と回答しているらしい。そりゃあ、少子化にもなるわな、と思う。

エスピン=アンデルセンの社会の分類を紹介していた。
つまり、福祉の生産が国家と市場と家庭の間に振り分けられる仕方には以下の3種類があるという。
1.アングロ・サクソン系の自由主義のレジーム。市場の機能推奨。
2.大陸ヨーロッパ型の保守主義のレジーム。国民を各層に分け、それぞれの層に対する保障制度をつくり、それと家族主義を組み合わせていくもの。
3.北欧諸国の社会民主主義のレジーム。福祉の普遍主義。脱商品化に特徴がある。
そして、日本は上記の3つにあてはまらず、イタリアなどの南欧諸国と同様に、社会扶助の残余的性格が強く、強固な家族主義が背景にある第四の分類にあてはまるらしい。

その家族主義が、家庭内で暴力を帯びつつ崩壊しつつあるということか・・

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2007年09月14日 05:57に投稿されたエントリーのページです。

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