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ライフストーリー・レビュー

先日の対話調停カフェでは、ライフストーリー・レビューという方法を試した。

過去のあまり話したことがない話題を取り上げて、聴き手に話をし、次の区切りでは語り手と聴き手が一緒にふりかえるというやり方。

何のことはない世間話にも似た、だらだらとした話をしているようにも見えながら、本人にとっては、それ自体が重要な活動であるように感じた。

私自身が語り手も聴き手も試した印象からの感想としては、何か新しい解決が生まれたりということは起こりにくいが、なんとなく漂っている過去の経験に、場所が与えられる感じだった。その経験に場所が与えられたことで、語り手自身も安心する。
聴き手としては、語り手が探り探り話していることに同伴する感じで、自然に応援したくなる気持ちが出てくる。ゴシップ好きに興味本位で聞きたくなるような欲求は出てこなかったが、これが常にそうなのかはよくわからない。

聴き手の役割として、語り手の語りを邪魔しないようにはするが、無私な傾聴というやり方とは異なり、当事者性を持った聴き手として関わるところが、このやり方のミソだとおもった。

支援者自身が当事者性を持ちつつ支援をするやり方を学ぶためにも、よい手法であるようにも思えたし、今後も続けたいと思った。

頭で考えれば、事例検討会にも似ているように思われるが、実際の体験としては相当異なる。

PCAGIPも、ライフストーリー・レビューもベースがエンカウンターグループにあるだろうと思うが。

高松里『ライフストーリー・レビュー入門:過去に光を当てる、ナラティヴ・アプローチの新しい方法』(創元社・2015年)

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2017年06月15日 09:00に投稿されたエントリーのページです。

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