7/8は、日本ADR協会のシンポジウムに出席し、7/9は仲裁ADR法学会に出席し、7/10は、平田オリザ作・青年団のニッポン・サポート・センターを見てきた。
日本ADR協会のシンポでは、ADR利用者調査の結果をどう生かすかというテーマで話し合われた。
垣内秀介先生の学者としての誠実さ、きちんと対象に向き合う姿からは、いつもながら、すごいなぁと感じる。同じプロジェクトに属していながら、こうしたちゃんとした報告ができていない自分が恥ずかしくなるが。
全銀協、愛知県弁護士会、新潟県司法書士会からの取り組みの報告もあった。
仲裁ADR法学会については、やはりADR利用者調査プロジェクトでご一緒している今在慶一朗先生の社会的公正の心理学、手続き的公正に関するお話があった。今在先生にはこの分野の教科書を書いていただきたいと思った。
「平等に関わらない中立から、平等に関わる中立へ」というお話が今在先生の結論としてあったが、私が考えるメディエーションの最重要事項だと思っている。Mediators Handbookにも書かれてあるその話こそ、と、おもいながら伺った。
黒田愛弁護士によるハーグ調停の報告についても興味深かった。日本の家裁は条約の額面通りに6週間で裁判しようとしすぎているといった話も聞けた。
事例についての情報開示がないので、外国から不信の視線は続いているというお話もあった。
他方、こんな父親のもとに返すのが本当に正義かという話もあるということは、司会の小原望弁護士がおっしゃっていた。動き出してはいるが、課題山積感満載。
仲裁人の倫理規定についての話題も意外と参考になりそうだとおもった。
IBAの規定の説明に対し、調停人の行動規範について同様なものがあるか質問があったが、それに対しての答えは「ない」だった。
IBAは調停についての倫理規定を持たないのかもしれないが、ABAにはアメリカの国内調停向けの規定がある。調停人の倫理規定についての勉強もしないとなぁとおもいながら聞いていた。
ニッポン・サポート・センターは、すばらしい作品だった。当日チケットはキャンセル待ちだったが、その人気もうなずける。
「そういうときは、すみませんではなく、ありがとうと言うんだ」というセリフが出てくる。すみませんと言いまくる支援を受ける人に、すみませんではなく、ありがとうと言ってもらいたいですと、言えるといいのかなとおもった。
みんなそれぞれ大変。いま、たまたま助ける側にまわっている人も、たまたま助けられる側にまわっている人も。