年末から正月にかけて、城山三郎の『少しだけ無理をして生きる』と、『落日燃ゆ』を読み、続いて牧野伸顕『回顧録(上)』「回顧録(下)』を読んだ。
福岡のことをもっと知りたいと思い、廣田弘毅の話を読み、もちろん興味深かったのだが、小説は小説なので。その点、『回顧録』はオーラルヒストリーそのもので、しかも聴き手は孫にあたる吉田健一。
『回顧録』は、あとがきで吉田健一がわざわざ歴史の概説を目的としたものではなく、牧野個人の体験や回想を記すためのものと断りが必要なほど、歴史の表舞台の大事な話が体験として語られる。
残念ながら、第一次大戦後のパリ講和条約を最後に終わってしまっているが、その後のこともぜひ読んでみたかった。幣原喜重郎と重光葵の回想録を読むべきかな。