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嫌われる勇気

妻が買っていたので帰国後読もうかと思っていたが、やはり読みたくなってKindleで買って読んだ。

対話形式になっていて読みやすいが、薄めて書いているわけではなくてよい本だとおもう。

特によいと思ったのはやはりタイトルにある嫌われる勇気が必要だというメッセージで、わざと嫌われる必要はないけれど、他人に認められないとだめだと思わずに、自分の価値判断に従うべきというところ。
他者貢献という目的を重視するが、どのように他者貢献しているかについては自己の主観的評価のみに耳をすませるべきだと言っている。

日本におけるアドラー心理学は、育児方法論の文脈で女性を中心に広がっていると思うが、この本は男性にわかりやすいのではないかとおもう。
開かれた質問その他の技術的な側面には触れずに、考え方、あり方のみに焦点を当てている。

「いま、ここ」に生きることが大事という話も強調されていた。

自分は能力があって、人々は仲間であるという世界に生きるためには、他者貢献できるように自分を鍛え、準備することも「いま、ここ」に生きることなんだろう。
凡人であるわたしたちは、「いま、ここ」に生き続けることが厳しすぎるから、そこから逃れる言い訳をさがしてしまう。
そういうごく普通の人にとって、混乱してしまったときに、自分の軸を取り戻す手がかりが必要になる。それは普通の人の哲学と呼ぶことができるだろう。この本はまさにそれを書いている。

岸見一郎(2013)『嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え』(ダイヤモンド社)

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2014年04月27日 09:00に投稿されたエントリーのページです。

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