「より多く」ではなく「よりよく」へ 世界的に進む「消費のシフト」 ──ジョン・ガーズマ 『スペンド・シフト』著者|『週刊ダイヤモンド』特別レポート|ダイヤモンド・オンライン
スペンドシフト自分を飾るより ⇒ 自分を賢くするためにお金を使う。
ただ安く買うより ⇒ 地域が潤うようにお金を使う。
モノを手に入れるより ⇒ 絆を強めるためにお金を使う。
有名企業でなくても ⇒ 信頼できる企業から買う。
消費するだけでなく ⇒ 自ら創造する人になる。──本書にあったデータによれば、日本はまだスペンド・シフトが進んでいない国のひとつだ。日本におけるスペンド・シフトについてはどう見ている?
2010年10月に米国で本書を出版した後、この1年間でわれわれのデータを再計算し、見直した。出版時のデータでは、日本の「スペンド・シフト実践者」の割合は25~26%だったが。最新のデータでは48%で、米国とほぼ同じレベルだ。この背景には東日本大震災があるかもしれないし、政権に対するフラストレーションなど、マクロや社会的な要因があると思うが、スペンド・シフトが日本でもこの1年で急速に浸透しているのは事実だ。
──日本の場合はバブル崩壊から20年がたち、好景気を知らない世代が社会に出始めていて、消費に対する意識は世代間で大きく異なり、世代間の価値観の対立も指摘されている。
スペンド・シフトの受け入れが世代間で違うという結果は米国でも見られる。米国でも若い世代がスペンド・シフトのリーダーになっている。次に多いのが高齢者だ。ベビーブーマーは良い時代を長く経験してきて、自分たちの習慣を変えることが難しく、調整が難しい世代といえる。