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須藤八千代 『歩く日』

ソーシャルワークについて勉強したいなと思っている。
この本はすばらしかった。

滑稽な話だが、ある時、強制入院させる場面で、その精神に変調をきたした人が、説得する医師に同情と憐れみを込めて、最後に「協力しましょう」と呟いた。周りが組み立てたシナリオの主人公は、最後までその筋を知らないでいた。そしてあまりにもでき上がってしまっている筋書きに、あきれたように「協力しましょう」と言って保健所の職員や医師、看護婦の先頭に立ち、階段を下りて車に乗り込む彼を見たとき、私は笑いだしそうだった。笑っている私も、その喜劇の登場人物の一人だった。 P48 「「M」氏に関する報告書」pp.33-59. 須藤八千代(1995)『歩く日―私のフィールドノート』ゆみる出版

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2011年02月22日 10:20に投稿されたエントリーのページです。

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