梅棹忠夫, 小山修三(2010)『梅棹忠夫 語る』 (日経プレミアシリーズ、日本経済新聞)
亡くなった梅棹忠夫の対談本。
いくつかスケッチも載せている。
梅棹 いまの話だけれど、わたしはとにかく、武士道の知的後継者としてのインテリ道やな。支配するという態度に対する反発が非常にあったな。小山 それで、チョウニナイゼイションなんていう言葉が出て来るわけだな(笑)。あれはあまり上品な響きがないけれど(笑)
梅棹 サムライぜーション(武士化現象)という言葉があって、チョウニナイゼイション(町人化現象)とは、それに対する言葉です。
小山 あの言葉が出たシンポジウム「日本人にとっての外国」(一九八八年)では、みんなひっくり返ってびっくりしていましたよね(笑)。でもインテリというのはあぶないですな、良くなったり悪くなったり。
梅棹 いわゆるインテリというものは、まさに武士道です。サムライの後継者や。町人をバカにしている。pp.166-167