愛媛和解支援センターで、ことしの2月にあった企画が原稿化されて、印刷物を送っていただいた。
約30頁分の特集で、読み応えがある。何度か読み返しても、愛媛の松下さんや中野さんの独特の話し方もうまく生かして原稿化されているので、とてもおもしろい。
泉 いやぁ、驚きましたよ。今日の事例検討会に参加させていただいて。
松下 そうですか。
泉 何がいちばん驚いたって、皆さん非常に生き生きされてますよね。
江原 入ってきたとき、みんななんだか楽しそうでしたね。
茂木 質問もあれだけ出るし。・・
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松下 ・・ADRをやり出してから相談者がすごく増えたんです。ADRでやるような手法で相談を受けますから。われわれは司法書士という職業で物を見てますから、相談にきた人を全部その中へ引き込んで、その範囲で処理ができるように話をもっていこうとするような聴き方をしてしまうんです。ですから、「そうじゃないんよ、もうちょっと違うところなんよ」と思いながら相談者が帰っていくようなことが多いんじゃないかと思うんです。でも今は全部聴きますから。ほんとに聴くんです。やたらと聴いて。事務所の人に怒られるんですよ、長いいうて(笑)。だけどそれをやり出してからすごく増えましたよね、4~5年前から。だから、私は普通、午後は全部相談。多いときは30分おきに来ますし、少なくとも1時間に1人は来ます。
遠賀 ・・僕も一緒やから、多分そうじゃないかなぁという気がする。・・
松下 ・・ADRにかかわり続けとったらやっぱり儲かったんです。じわりじわりといろんなことがわかって、どういう業種の人でも相談を少し受けるようになったら、その相談を受けたことで信頼を受けるようになって、その相談に来た人がまた紹介してくるんですね。不動産登記だったり会社の登記だったり。そうすると、司法書士業も相談を通じて非常に安定してくるんですね。単発的な仕事だけども、そういうことで信頼ができたら、それが次々と伝播していく。
P63-64松下, 純一, 江原, 崇人, 泉, 純平, 茂木, 光男, 他 (2010) "松下純一代表インタビュー&ADR大放談会", 群馬司法書士会・執務現場から, 42, 56-77.