アサーティブジャパン | 勝間和代&アン・ディクソン ジョイント講演会
アン・ディクソンさんと勝間和代さんのジョイント講演会があり、招待券をもらって聴いてきた。
アン・ディクソンさんの話は、以前買ったブックレットにあった話とかなり重なっていた。
70年代頃からスタートして、80年代にブームとして拡がり、90年代には組織内の研修などに組み込まれるようになったという。
負の側面として、対等性の理念などが後退し、一部のスキルセットとして矮小化されてしまったという歴史的な話をしていた。
このあたりはメディエーションの歴史ともパラレルで面白い。
静かだけれど情熱的で、ディグニティを持って話をされていた。
座ったままの話だったのと、抽象度が高かったので、眠くなっているひとも多かったようだ。
しかし、じっと観察していたら、表情豊かに話しておられる。やはり講演の人ではなく、トレーニングの人なのだろうとおもう。
勝間さんは、サクサク作ったパワーポイントを使って、歩き回りながら話をしておられた。エネルギッシュな話し方で、笑い声もところどころで起きていた。話の進め方が、具体的なものと、構造的なところの両面があり、わかりやすい。(ただ、足を拡げて立つ立ち方が妙に気になってしまった。)
アン・ディクソンさんが、アサーティブスキルというのが、競争至上主義的な社会の風潮の中で矮小されているという話をされた。
勝間さんは、自分を競争社会のなかで、いかに生かすか、自分を高く売るために、いかにその他の仕事を断るか、その断り方としてアサーティブスキルがいかに有用かというストーリーだった。
つまり、お二人の話は、アサーティブスキルの位置づけについて、根本的なところで大きな対立がある。
つまり、勝間さんは、まず稼げるようになって、その上で社会的活動をしなさい、そうすればもっとはしごを上に上がれるよ、というストーリーを話していた。それはそれで筋は通っている。
アン・ディクソンさんは、みながはしごを上にという意識だけれど、アサーティブスキルの前提は、そういうはしごの上下ではない対等性を根源的に考えようとすることだと言っている。ただ、はしごの存在を認めないのではなく、横も縦も両方あるのだという話だった。
アン・ディクソンさんもそうだし、米国でメディエーション運動に関わっているひともそうだが、横の関係性や対等性を主張するのだが、非常にロジカルかつ、構造を持った話のされ方をする。権力性の否定みたいな話を情緒的にしかできないのでないところがおもしろいとおもっている。