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調停技法勉強会 「ピア・メディエーション」

昨日は、調停技法勉強会で、「ピア・メディエーション」についての報告だった。

臨床心理の勉強をして中学校で相談員をしているOさんの話を中心に議論をした。

学校現場で生徒同士が喧嘩した後の一般的な「処理」の流れを寸劇でやっていただいた。
「謝罪指導」という言葉もあるらしく、問題の本質の深さまで入っていくというよりは、表面的に両方に謝らせるという行動をとりやすいということがよくわかる。しかも、教師は忙しく、いちいち入り込めないし、入り込みすぎて責任を追及されるよりはそのほうがよいという意識もある。この教師の意識と、裁判所の調停委員の意識が、もしかしたら近いのかもとおもった。

社会心理には紛争・葛藤という概念はあるが、臨床心理にはその概念自体がなく、個人の内的世界しかないという話もあり興味深かった。認知行動療法における問題解決とか、コミュニティ心理学や家族療法におけるシステムへの働きかけという概念と、メディエーションの問題解決の関係については、もっと議論を深めたい気がした。

士業は元より、臨床心理士、医者などもいて、まさに多士済々だ。わたし自身がとても勉強になる。士業団体でも内部でのリーダー格の方が多く参加している。とてもぜいたくな環境だ。

その後は、Oさんの相談事例を元に、メディエーション可能性についてグループで話し合った。難しい事例が多く、メディエーションに向く場面を見つけづらい。しかし、メディエーションが有用でないという話でなく、メディエーションマインドは有効だとおもえる。メディエーションマインドの結果として、メディエーションという手続を選ばないということもあっていい。

発表者ご本人はえらく反省していらっしゃったようだが、非常に面白い内容の報告だった。

ところで、本日、わたしは、40歳になった。

コメント (2)

入江先生お誕生日おめでとうございます。
ブログは毎日拝読させていただいております。
今後の益々のご活躍をお祈り致します。

ヱ:

どうもありがとうございます。

宮澤様のブログもリンクさせていただきました。
よろしくお願いします。

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2009年11月17日 10:15に投稿されたエントリーのページです。

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