福井康太先生が、オーストラリアで、大手法律事務所の業務の2割以上が公益関係業務だということで、「耳を疑いたくなった」と書いておられる。
これ
日本で、「ボランティア」と言えば、「お人好し」「ものずき」「金持ちの道楽」あるいは、「左翼」・・というイメージかもしれない。
しかし、欧米ではもう少し違う位置づけのように感じる。
オバマも公益系の法律事務所にいた時期があったようだが、一般に、自分のキャリアパスを形成するために経験値を積むための場という、ある種の利己的動機が正面から位置づけられているところが違うように思う。
最低限のハコだけ税金等で準備されている質素な場所で、しかし、目線が高い人ばかりで仕事をするので、効率的に、筋肉質な仕事の進め方をしている。したがって、経験値としても良いものが得られる・・そういうイメージだ。
他方、日本の場合、ハコづくりの最初から全部持ちだしでやることが求められる。
身銭を切りながらハコを作っていく過程で、メンバー間の相互不信が募り、互いに嫌な思いをして、リーダーだけが孤立していく・・結果として、経験値が積める段階にたどり着かない・・
ただ、もやいの湯浅氏とか、ライフリンクの清水氏とかのように、「形を作れるタイプ」の成功例が出てきているし、役所などのエスタブリッシュメントの側にしてもそういう相手を見つけて互いに協力するのは有益だという認識が広がりつつあるように思う。