ティク・ナット・ハン(1999)『仏の教え ビーイング・ピース―ほほえみが人を生かす』 (中公文庫)
中野民夫『ワークショップ』を読み返していて、紹介されていたティク・ナット・ハンの本を読みはじめた。
「和解のための七つの実践」という仏教団に伝わる紛争解決手法が紹介されている。
「七滅諍法」(しちめつじょうほう)と呼ばれるものと同じなのか違うのかもよくわからないが。
「和解のための七つの実践」(110-117頁)<メモ>
第一の実践-対面して座ること
第二の実践-思い出すこと (争いのいきさつの全体を、それと関わり合いのある細部すべてにわたって)
第三の実践-強情でないこと
第四の実践-ぬかるみに藁を敷く (尊敬の受けている先輩の僧が一人ずつ選ばれて紛争をしている側を代表し、相手を尊重しつつ、庇護する)
第五の実践-自発的告白 (おのおの自ら欠点を明らかにする。小さな弱点からはじめる)
第六の実践-全会一致による決定
第七の実践-評決を受け入れること
最後に、三回、異議がないかを確認し、評決を宣告する。
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個人的に面白いなと感じたのは、「ぬかるみに藁を敷く」という表現。
代理人の行為というのをこのように表現している。
「雨の後、田舎道を歩くと、ぬかるみがあります。ぬかるみに敷く藁があれば、安全に歩くことができます(113頁)」。
やわらかいもののうえに、やわらかいものを置いている。