以前、米国に行ったときに教えてもらったのだが、マサチューセッツ州では、消費者行政で行った調査結果を使って少額訴訟を行う決まりになっている。フロリダ州でも、消費者行政機関が、少額訴訟手続案内をしていて、連携が深そうであった。
『仲裁とADR 4号』(商事法務、2009)で、NACSの消費者ADRについて執行力を求めるという記載があったのだけれど、裁判所で、消費生活センターや消費者団体の行った調査結果を活用するスキームを作る方が、政策としては筋がよいのではないかと思ったのだけれど、どうだろう?
消費者ADRが対象とする事業者には、悪質業者といってもよいようなものの割合がどうしても高くなるので、「任意の話し合い」というだけでうまく行かないという現場感覚はよくわかる。
しかし、だからといって、すぐに「執行力」を要求しなくてもよいのではないかと思った。
消費生活センターや消費者団体の調査結果を証拠として裁判所に提出するスキームができあがれば、裁判所も安心して悪質業者に対して判決を書けるだろう。
そのようになれば、消費生活センターや消費者団体の調査に対する業者による不誠実な対応は、欠席裁判に近い効果を生むのだから、消費生活センターや消費者団体の実質的な問題解決力が格段に増すのではないかとおもう。
もしかしたら、日本ですでに、これに近い試みがどこかで行われているのかもしれないが・・(知っていたらこっそり教えて下さい。)