群馬司法書士会『執務現場から』(41号、2009年5月)をいただいた。
ADR特集である。地方の県の単位会が作った特集としては、とても充実していた。
群馬司法書士会のADRは、プロボノ事業として、無償で行っていくらしい。
わたしが知る限り、司法書士会のADRの活動が、ビジネスとして成立する余地があるのか、ということはまともに検討されていないように思う。
中で、神奈川県の稲村厚さんが、認証ADRでは、「調停人リスト」を持っているということが、ビジネス展開の可能性につながるという指摘をしていて、興味深かった。
ADRといわないまでも、公正にかつ、丁寧に苦情を聴ける人というのが求められる場面というのはたくさんあって、そういうところで活躍する意欲も能力もあるということを示していくことが大切ではないかということだ。これには、まったく共感する。
そう考えれば、必ずしも単位会のADR活動は、それで黒字化しなくてもよい。一種の「見本サービス」と位置づければ良くなる。
プロボノでやるなら、多様性を考えて、司法書士以外とも一緒にやっていけばいいのではという議論がなかで出ていたが、まだそういう展開ではないようだ。