欠陥住宅を正す会:平成21年度正す会会員総会シンポジウムでの代表幹事澤田和也講演テキスト、顧問鳥巣次郎講演テキスト
ただ、裁判所の処理の実情から見ると、調停委員があたかも裁判官になったかのように調停案をのむよう当事者に求め、当事者もこれに根負けして応じるということもみられます。しかし、これは調停主任である裁判官が、あくまでも裁判自体は裁判官がするもので、専門家の調停委員からは、裁判をするのに必要な事件の理解の専門的知識の補充を受けるに過ぎないという自覚に欠けていることによるものです。裁判自体は裁判官がするのが当たり前です。そして逆に専門家調停委員も裁判の下請けをしているのではないとの自覚を持つべきなのです。
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建築専門部がスタッフを揃えて機能し始めた平成15・6年頃からはこのようなクレーマーとでもいうべき人が目立ち始めたもので、裁判所も建築士調停委員の言う「クレーマーの不当な要求説」も耳に入りやすくなったのか、被害者も加害者も同列に扱い、技術論争を果てしなく戦わせ、被害者側をクタクタにさせ、諦めさせるという訴訟指揮をとるに至った。