仲裁とADR4号で、神戸大学博士課程の山田恵子さんが、ナラティブ・メディエーションの文献を紹介している。
周到に目配せされた紹介でとても参考になった。
ただ、ナラティブ・メディエーションは、真にナラティブなのか、という疑問を持ちつつ読んでいたのだが、そこのところがよくわからなかった。
殻に閉じこもりがちな伝統的な専門性を開き、対等な関係性を日常言語の対話の中に構築しようとするはずの試みが、自分たちの方法こそ「正しい関係性」を構築できる「正しい方法」だと宣言しはじめたとたんに、新しくも伝統的なひとつの「専門性なる殻」への回帰の誘惑に駆られる。
その辺はどうなんだろうかと。
わたしがこれまで会った人の中では、Sara Cobb先生がナラティブ派の人だった。
この方は心理学出身だったが、非常にさっぱりとした実際的な議論をされる方だった。
技法論として、例えば変容型と、どの辺が違ってくるのかも、もう少し知りたいと思った。