高野耕一(2008)「人訴移管後の家事調停」ケース研究296号、pp.3-53
「調停合意説」の根底にあるものは、「パン屋のあるじ」がパンを買いに来た「客」に対して、パンは自分で作るものだよと説諭するに等しいのではないだろうか。P42
対話型調停批判の論客で元裁判官の高野耕一氏によるもの。
この論文を書かれたのは84歳だという。
裁判所が持つ権威性に無自覚な調停委員では困るとおっしゃっている。公正な解決を目指さなければならないというのが、一番の眼目のようだ。
調停の場に話し合いなど求めておらず、「相手をこらしめたい」というニーズを持っていたり、「専門家による正当な評価を得たい」というニーズを持っていたりする当事者がいるのは当然のことだ。そこをどう考えるか。
この論文に、いろいろ言いたいことはあるが、それは、論文で書くべきだろうということで。