メディエーショントレーニングの売り言葉に、「普段の相談業務にも必ず役に立ちます」というのがあるのだけれど、ちょっと抵抗感がある。
確かに、実際に、「普段の相談業務に役に立った」と言われることはあるし、それは良かったと思うけれど。
何に抵抗感があるかというと、「コミュニケーションスキル」なるものがあって、それを提供者側(講師側)は身につけていて、身につけていない受講生に教え込むことができる・・という考え方そのものについてだ。
わたし自身は、コミュニケーションスキルをマスターしたなんていう実感が全くない。
例えば、トレーニングプログラムの構成方法に関しては勉強をしたし、それなりのノウハウがたまったという実感はあるが、コミュニケーションそのものについては、正直なところ、むしろ苦手意識しかない。
メディエーションについても、場や流れの構成方法について、その仕組みを説明することはできる。
が、いかなる場合にもそれを使いこなせるかというと、また、別問題になる。
練習方法を説明し提供できるが、それだけだ。
コミュニケーションなんていうのは、上手な人が専門的に実施するというようなものではない。
下手でも避けて通れない。
下手な人でも、自分自身や他者に向き合う権利が同様に開かれていると考えるところに、メディエーショントレーニングの魅力があるのではないか・・と、わたしは考えている。