わたしがファシリテータを務めたのはITセッションだった。
高知工科大学の菊池豊さんから趣旨説明があり、日立コンサルティングの田熊伸好さんからシステム開発におけるステークホルダごとのニーズの違いと、プロジェクト失敗要因の分析についてのプレゼンがあった。具体的な失敗事例に対する言及もあって、興味深いものであった。
その後、PIフォーラム事務局であり、モデルビレッジの社長である小松一之さんが、建設会社で行ったITシステム導入のためのステークホルダ分析調査(社内ヒアリング調査)の事例を詳しく報告した。
ヒアリングで聞いた内容は、たとえ社長から聞かれても開示しないという守秘義務契約を結んだ上で、なぜ、前回のシステム開発が失敗したのか、それぞれどんなことを望んでいるのかといった話があった。
このプロジェクトは、結果的には大成功だったようで、システムベンダからも感謝され、報酬の上積みさえあったという。
そのあと、わたしが参加者にふせんに「!」(興味を引いたこと)と、「?」(疑問、質問)を書いてもらうという参加型ワークのさわりみたいなことをした。
こういう参加者いじりについても、新鮮に受け取って下さった人もいたようだ。
ITの合意形成の議論は、観念的な議論(プロジェクトマネージャのミッションがなんたらかんたら)になるか、プログラミング時の命名規則みたいなやけに具体的な(かつ局所的な)議論の両極端に陥りがちだけれど、なんとなく、両方をつながなければならないし、そのための方法論も少しずつ整理されてきているという話を感じることができたのではないか。
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参加された方の感想: