「市民と法No.53」のADR特集はとてもおもしろかった。
わたしが事例研究を重視するようになったのは中村芳彦先生のアドバイスによる。
中村芳彦先生の論考(「ADRにおける事実認定と対話」)で指摘している内容は、現行の調停トレーニングプログラム批判として最も本質を突いていると思う。
対話重視のはずが、単に将来性重視への強引な”リフレイム”にすりかわるとしたら、浅薄のそしりを逃れられない。「事実をいかに語るか」が整理されていてとても考えさせられた。この考え方をどのようにトレーニング教材に落とし込むかについては、工夫が要りそうだが。
ところで、先日の岡山弁護士会の全国仲裁センター連絡協議会での報告では、自主交渉援助型調停でも事実を重視しながら対話するというプレゼンをされていた。
議論は少しずつだが成熟してきているのかもしれない。
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