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認知行動療法の入門書

伊藤絵美(2005)『認知療法・認知行動療法カウンセリング初級ワークショップ―CBTカウンセリング』(星和書店)

認知行動療法(CBT)のワークショップ記録形式のテキスト。
DVDも併せてでているようだが、本だけでも十分に理解できる。

CBTの考え方を紹介するときに、原稿が書けなくて焦ると、ぐずぐずしたり、歩き回ったり、部屋を片付け始めるという伊藤先生自身の話が出てきて可笑しい。
確かに部屋を片付けたくなるなぁ・・

ソリューションフォーカスアプローチとの違いもよくわかった。
ソリューションフォーカスアプローチは、対処方法や、例外的に対処できた事例などを聞いていくのに対して、「問題解決技法」としてのCBTでは、問題構造の明確化を先行させる。

制約のあるオープン・クエッション(この本ではソクラテス式質問と呼んでいる)を使ってイメージを共有できるところまで質問を行うといった技法の紹介もあり、なるほどと思わせる。

話を聞かない医師と、話を聞いてくれるだけで何にもしてくれないカウンセラーの次にCBTのカウンセリングを受け、ここでは普通に話していいのですね、といった感想を漏らすというエピソードも面白かった。

いきなり認知再構成法と呼ばれる表をわたすだけでCBTをやっていると自称するところが出てきて困っているという話もしていた。CBTをやっているから効くのではなく、まともなCBTをやってはじめて効くのだろう。

最近のライフハック本などは、CBTのエッセンスをうすーく薄めたようなものが多いと感じがする。
専門家向けではあるが、入門書であり、誰でも理解できる内容になっていると思う。
おすすめ。

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2008年06月03日 11:33に投稿されたエントリーのページです。

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