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Beautiful Mind

エドワード・デ・ボノ(住友 進 訳)[2005]『魅せる会話 ― あなたのまわりに人が集まる話し方』(阪急コミュニケーションズ)

motoe lab経由で知って読んだ。

論理療法(認知行動療法)のエリスに似ているなぁと思いながら読んでいて、略歴を調べたらやはり心理学出身だった。
会議手法としての「6つの帽子」の話も知らなかったが、これが有効だということはよくわかる。
コミュニケーションスキルを覚えるというより、その前の考え方を整理する段階を重視している。
<帽子>というたとえは巧みで、「意図して選択できる」意味が含まれ、人格と認知を切り離すことに成功しているように思える。

黄色の帽子が、価値や利害を意味しているというのも、風水っぽくて気に入った。
利害に基づく交渉(Interest-based negotiation)を含んだ体系であることを意味している。
赤い帽子-感情、緑の帽子-創造、青の帽子-プロセスを追加し、白い帽子-情報、黒い帽子-論理を排除しない。

結構迫力のある体系を持っているということがわかったが、翻訳本のたたずまいが、軽いビジネス書・社交書仕立てにしすぎですこしもったいない感じ。
マイケル・ドイルの『会議が絶対うまくいく法』と同様に。

あと、この本の特徴として、やや無理矢理なものも含む事例が案外面白い。
中年のおっさん(わたしもそうだが)は、一般に、有意味なコミュニケーションを成り立たせる民主的な対話に対して抵抗を示す習性を持っていることが多いが、事例選択がビジネス寄りなので、彼の話はビジネスおっさんにとっても、受け入れやすいのではないかと思った。

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2008年05月06日 06:10に投稿されたエントリーのページです。

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