先日PI-FORUM年次セミナーで、東大工学部で准教授をされている加藤先生のセッションに参加した。
関連論文:政策課題抽出支援のための問題構造化手法とその 合意形成手法への適用可能性/東京大学大学院工学系研究科 加藤 浩徳(PDF)
一見、KJ法に似ているのだが、
(1)ステークホルダのパターンに分けて図解する
(2)因果関係(制約条件-選択肢-目的)を図解する
という特徴がある。
最近、川喜田二郎の『発想法』『続・発想法』を読み直していたのだが、『続・発想法』に出てくる「累積KJ法」というやり方に近い感じがした。
パターンランゲージにも近いのかも。
(1)に関連して、当事者のステレオタイプ化を強化する方向に働かないかというフロアからのコメントがあったが、これは鋭い指摘だと思った。
優れた役人なら頭の中でやっている活動を、外在化させることによって、
・引継ぎを容易にする
・説明責任(アカウンタビリティ)を果たす
という効果を持つというストーリーは納得できる。
こういう”秘術”と目されていた、「申合せ事項」としての調整業務がどこまで形式知化されるかはよくわからないが、とても大切な仕事であることは確かである。
二者間のメディエーションでも当然利用可能だと思われるが、図解においては、ステレオタイプ化が不要であるため、より容易かもしれない。
一方で、感情ファクターをどのように図解化するかなどの研究はより重要になるだろう。