牟田静香 [2007]『人が集まる !行列ができる !講座、イベントの作り方』(講談社+α新書)
大田区の男女共同参画を推進するための外郭団体で、さまざまな市民講座を企画・広報している方のノウハウ本。
広告代理店で働いた経験などはなく、手探りで試行錯誤しているうちに、さまざまなノウハウを開発できたその経緯を詳しく紹介してくれている。
言ってみれば、焼け野原でリヤカーを引いて商売を始めて、その後立派な店を構えるまでのたたき上げの成功談みたいな本。でも、まったく素人なのに、イラストまで習って、人集めにかけている(そして、お世辞にもあまりうまいとはいえない(失礼!)イラストが掲載されている)ところをみると、その姿勢には本当に感銘を受ける。
ほかには、講座のタイトルには認知度の低い言葉を入れるのは厳禁であることなども、事例を交えて懇切丁寧に説明している。そういう意味では、メディエーター養成講座などというのは、参加者がこないように自分からしているということになる。(受講者というより、参加者と呼ぶほうが、印象がいいらしい)
わたしは、調停人養成講座(メディエーショントレーニング)の関係でいろいろやっているので、研修や講座の企画の大変さはよくわかる。しかし、広報の部分はいつも人任せでほとんどお膳立てしてもらっていたので、この本を読んで改めて、その大変さを実感した。言って見れば、調停合意よりも応諾が大変なのだ。
ところで、この本の後ろのほうで、アサーティブトレーニングの広告の実例のところに、妻の友人でわたしのマイミクでもある人が載っていて驚いた。It's a small worldだなぁと。