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平田オリザ『芸術立国論』

平田オリザ[2001]『芸術立国論』(集英社新書)

『演劇入門』、『演技と演出』が、表の平田オリザだとすると、こちらは裏である。

演劇人としての経験を踏まえた、芸術政策の提言である。
日本で、芸術保険制度を作って安く演劇を楽しめるようにすることとか、演劇図書館を地方に作って、司書として演劇評論家を雇用・育成すべきこととか、妄想力豊かな提言があって興味が惹かれる。

ADR保険とか、ADR図書館とかも面白いかもしれない・・と、妄想してしまった。

いろいろな提言もさることながら、青年団は2000万円ほど補助金をもらっているとか、こまばアゴラ劇場は1億1000万円くらいかかったとか、生々しい話もあって、この言いたい放題の提言集も伊達や酔狂で言っているのではないということがよくわかる。

・・ただ、貧乏だから金をくれと言うだけだ。私はそんな先人たちの姿を見て、とにかく愚痴と貧乏自慢だけは言うまいと心に決めたのだった。 P164

・・わたしも言うまい。

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2007年05月26日 05:44に投稿されたエントリーのページです。

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