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医療ADR

早稲田大学・紛争交渉研究所の医療ADRについてのシンポジウムを聞きに行ってきた。
さすが和田仁孝先生のコーディネートで面白い。

医療分野のADRは動き始めているとは聞いていたが、具体的な現場が動き始めている報告がなされて、大変勉強になった。

シンポジウム案内(pdf)

西口元(はじめ)判事が、千葉県で大学を事務局において、医者と法律家で医療ADRを動かし、かつ、将来的には裁判所とも連携しようと働きかけるつもりだとおっしゃっていた。

医療事故については、事実にアクセスできるのが実質的に病院側に限られているため、対話の前提としての事実の整理というのが非常に重要になる。

しかし、そこを本当に解明するには、膨大なコストがかかるので、公正な手続だがあまり事実調査に踏み込まない、いわゆる評価型のADRをやっていこうというのが西口判事の考え方のように聞こえた。
評価型調停だが、同席で、情報共有もきっちり行うというフェアな進め方でやるべきという発言もされていて、そのあたりも微妙に面白かった。

和田先生は、事実整理と対話促進は切り離すべきで、整理された事実を対話の促進する道具に使っていこうという考えだった。

事実調査は、きちんとやれば、もちろん病院にとっても教訓になるプラスになる知見が多く得られるに違いがない。しかし、クレームを受けるたびに、いちいち事実評価なんかやってられないと普通の医者は思うだろう。コストがかかるので制度設計として、どの程度のリソースをかければよいかがよくわからないところだ。
とはいえ、いつまでも医者だけがちょんまげをつけて、切捨て御免が許される時代ではなくなってきているのも確かだ。医者が医者としての日常の職業活動を正常に維持するためにも、事実整理と対話促進の環境整備はまったなしの状況に来ているということがよくわかった。

中西MOMOさんの発表では、米国でもパネル評価はかなり蓄積があるのに対し、医療分野でのメディエーションが入りだしたのはそれほど古い話ではないのだなぁという感想を持った。

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2007年01月13日 22:06に投稿されたエントリーのページです。

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