仲裁人協会の研究委員会主催の研究会があり、参加してきた。
報告者は大谷美紀子弁護士で、テーマは「日本と諸外国の調停モデルの異同を踏まえたハーグ調停」。
せっかくのイベントなのに仲裁人協会会員のみに参加資格があり、またFAXでの告知のみ(!)という不思議な慣習のために、10数人の参加しかなかったが、大変興味深い議論があった。
ハーグ条約は1980年代からだが、批准国でも調停を本格的に用いようという議論は2011年からに過ぎず、イギリス、ドイツ、オランダは推進するがアメリカは懐疑的という構図があるという。
アメリカで調停が軽視されている点が背景にあるという話も興味深かった。
ハーグ条約加盟国で調停が話題になったのは、もともと、イスラム諸国とハーグ条約加盟国の間での管轄のみについての二国間の協定を拡げる形で、調停の実施が議論されていた話題が飛び火した形であったらしい。
調停について、法律家と非法律家の共同であるべきで、かつ、双方共に調停の専門家としてトレーニングを受けた者が実施しなければならないということを強調されていたのが印象的だった。