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本:想田和弘『なぜ僕はドキュメンタリーを撮るのか』

ブログを書くスタンスも迷うところ。
ブログは、考えているけれど、もう少し深めてから出したいと考えていることを書くには適した媒体ではない。
しかし一方で、外に出されているものから形成される印象というものもあって、そこのずれについては自分ながら違和感が出てくる。

当面はこれまで通り、雑多に行こうとは思うが。

想田和弘『なぜ僕はドキュメンタリーを撮るのか』 (講談社現代新書・2011年)

平田オリザさんを撮った「演劇1」「演劇2」が上映中の想田和弘監督の新書。

フレデリック・ワイズマンをアイドルと呼ぶドキュメンタリーの映画監督である。
NHKでニューヨーカーズなどのドキュメンタリーも作っていた人であるらしい。

ドキュメンタリーは、人々の「やわらかい部分」を撮ることだというが、日本人の監督がその加害者性に自覚的であることに対して、アメリカ人監督の多くはあまりそういう議論をしないという話が興味を引いた。マイケル・ムーアに代表されるように、真実の告発者であり、カメラという言論の道具によって権力を暴くといった素朴な自己イメージも強いのだそうだ。
想田氏が、ワイズマン本人に、その加害性を聞いたところ、出演する側には出演するなりの理由があって同意しているということと、実際に被写体の状況が変わってしまったということはこれまでなかったという話をしている。(P184)想田氏は、ワイズマンのこの発言には、少し表情の陰りを感じたとも書いており、興味深かった。

「演劇1」「演劇2」は、現在のところ福岡では上映の予定がないようだ。広島でも岡山でも松山でも準備されているようなのだが・・

著者のブログ:
観察映画の周辺 Blog by Kazuhiro Soda


追記:

福岡でも上映が決まったようだ。
KBCシネマ1・2

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2012年10月17日 09:19に投稿されたエントリーのページです。

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