田嶌 誠一 (2009) 現実に介入しつつ心に関わる : 多面的援助アプローチと臨床の知恵, 東京, 金剛出版 .
著者は、臨床心理士の実務家で、現在は九州大学大学院人間環境学研究院教授。
児童養護施設で、1対1のカウンセリングだけでなく、組織としての暴力排除に取り組む実践を行った経験などを踏まえて、カウンセラーの役割像の転換を提言している。
グッと来る話が多い。
人はしばしば「自分が見たいものしか見ない」。自戒もこめて言えば、専門家であればなおさらそう。P38
志は高く、腰は低く。P39
節度ある押しつけがましさ(thoughtful pushiness) P54
逃げ場をつくりつつ、関わり続ける P55
健全なあきらめ(letting it go) P55
かたくなさが道を開き、しなやかさが発展させる。P65
「契約」と「縁」。 P131
勉強すればするほどダメになる。 P133