小林 正啓 (2010) 『こんな日弁連に誰がした?』, 平凡社.
司法制度改革で、なぜ弁護士数の増加を日弁連が受け入れ、推進さえしたのかという分析をざっくりと読める。
もともとブログとして書かれていたものの書籍化。大阪の弁護士実務家が著者。
公表資料ベースに書かれていてとてもわかりやすい。
日弁連が司法官僚に敗北したということがこの本のメインのメッセージだが、司法制度改革において司法官僚が果たして勝利したかというと、それは別問題ではないかとおもう。
この本では、矢口洪一の行動は、対行政という意味での裁判所の地位が主たる関心があるとする。
だとしたら、司法予算を大幅に増やすことには失敗した司法制度改革は、司法官僚にとっても失敗と呼べるのではないだろうか。
というようなことは、実務家に任せるだけでなく、法社会学の分野でも研究すべきテーマなんだと思いますが・・