« 米国のコミュニティ調停 | メイン | ADR法認証:滋賀県司法書士会 »

「新しい郊外」の家

馬場正尊(2009)『「新しい郊外」の家 (RELAX REAL ESTATE LIBRARY)』太田出版

著者は、直接の面識はないが、友達の友達。
東京R不動産のディレクターという説明が一番わかりやすいのかな。
すでに成功しておられるが、もっと偉くなるひとなんだろうなとおもう。

千葉県で海の近くに家を建てた話なのだが、家族の話が詳しすぎるくらい出ている。
同世代だし、身につまされる話も多かった。
千葉の前は湘南を調べていたという話も出てくるし。

馬場家は崩壊の後、再生するのだがその記録とも言える。

 馬場家がたどり着いたのは、個々がバラバラの部屋で、適度な距離感を持って生活すること。それがこの集団には最適なのだということに気がついた。他の人からは、それは淋しいのではないかと指摘されることもある。しかし十数年を経て、僕らにはそれが正しい答えだという結論に至った。家族関係は、常に各々が特殊だ。それを包む住宅のプランも決して一般解はない。
 今、日本では最大公約数を凝縮した居住空間が提供されている。そのプランが、その家族に適合しているのかわからないままに。大多数の人々はそれを購入し、そのプランに家族が合わせて生活している。たぶん、ほとんどの家族はそれでなんとかうまくやっていっているのだと思う。それが正常な家族なのだろう。でも、馬場家の場合、住居プランが家族を崩壊させる一因になった。
 ・・
 一般的な家族がないように、一般的な住宅プランなど、あるはずもないのだ。しかし日本の住宅供給システムはそれには対応していない。特に賃貸の場合、既存の組み合わせの中から自分たち家族のモデルに少しでも近いプランを選ぶことになる。分譲マンションを購入した場合は、後からの変更は難しい。馬場家のように、後から失敗に気がついた場合、一体どのように修正しているのだろうか。 (P126)

*

元は、このブログ。http://www.realbosoestate.jp/baba/

About

2009年01月24日 06:19に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「米国のコミュニティ調停」です。

次の投稿は「ADR法認証:滋賀県司法書士会」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

Powered by
Movable Type