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もやもや相談

東京新聞:若者に“もやもや相談” 都が18歳以上対象 秋葉原事件など受け:社会(TOKYO Web)

若者に“もやもや相談” 都が18歳以上対象 秋葉原事件など受け

2009年1月6日 夕刊

 昨年六月の東京・秋葉原の無差別殺傷事件など、動機が不可解な犯罪が多発していることを受け、東京都は新年度、十八歳以上の若者を対象に、どんな悩みでも受け付ける相談窓口を設ける方針を固めた。漠然とした不安や悩みを持つ「もやもや感」を受け止め、自殺や犯罪、ひきこもりを防ぐのが狙いだ。

 都によると、新年度予算案に「若年者総合相談(仮称)」などの事業費四億円を盛り込む。

 まずは電話相談から始め、電子メールや面接でも受け付けられるようにする。

 十八歳未満には青少年健全育成条例や児童福祉法があり、相談窓口が充実している一方で、十八歳を境に、行政の支援態勢は細っているという。

 その一方で、他人と意思疎通が取れず、ひきこもりやニート(若年無業者)とされる二十-三十代の若者が増加。

 不可解な動機による重大事件も次々と発生した。

 有識者らでつくる都の青少年問題協議会は「生活のあらゆる場面で生きづらさを覚え、追い詰められた揚げ句の逸脱行動」と分析。未然に食い止めるために十八歳以上の相談態勢を構築すべきだと提言した。

 どんな悩みでも受け付ける「もやもや相談」を入り口に、内容に応じて、都が既に実施している就労、ひきこもりの自立支援といった専門相談に引き継ぐ考えだ。

 都青少年・治安対策本部の担当者は「自分でも整理できない『もやもや感』の受け皿となり、考えを整理する手伝いができれば」と話している。

「若者問題」とされていて、若者が「もやもや」していて、それを相談者に話して、考えを整理して解決できればよい・・という考え方。役に立つ場合は多いとはおもうのだが、二者関係(カウンセリングまたは情報提供)だけでなく、三者関係(メディエーション)のメニューも持ってもらえるとよいとおもうのだが。

なぜなら、第一に、問題はしばしば、家庭関係であったり、友人関係であったりする。三者関係で話し合った方が直接的な問題解決につながるばあいがある。
第二に、相談者が「専門家」との二者関係で話し合う限り、その構造上、相談者個人に問題が焦点化され、しばしばそのこと自身が問題を解決から遠ざけてしまう。
自責的な相談者と専門家が眉間にしわを寄せて解決案を考えるより、問題の関係者をつれてきて話し合えば、相手があっさり解決のためのリソースを開放するかもしれない。

たとえば家族との関係が改善されれば、福祉に直接頼らなくて済む場合も増えるということは行政自身がよくご存じのはずなのだから、そこに資源を投入しても矛盾はないはずである。(行政にとっては)
もちろん、それが福祉切り崩しの理由にされてはならないのであるから、当事者の選択を実体的に尊重できる手続として制度化することが重要だ。(当事者支援団体にとっては)

コメント (2)

Eriko Okanouchi:

 全くおっしゃる通りと思います。紛争や犯罪(もめ事)は病気と同じで早期治療(対処)が有効です。お金にならないエリアこそ行政がしっかりサポートして欲しいです。
 又17歳少年の痛ましい事件がありました。新聞もテレビも「動機不明・・・」と報じるけれど、メディエーターの目で見て、これ程はっきりしていることはないのにと、焦ったい思いでいっぱいです。少年は一生自分の現実を背負って生きていかなければならず、加害者であると同時に大人社会の被害者でもあるのです。
 去年は、このような事件があるたびに気ばかり逸り夢中になりすぎ少々息が切れました。今年は自分が目指すメディエーションの方向がより具体的に見えてきましたので・・・どれだけできるでしょうか? 引き続き、虐待防止/子供のSOS/家庭支援などの市民活動とのリンク作り、行政の関心/関与を引き出すことにも力を入れていきたいと考えています。勉強もしたいです。(草の根メディ)

ヱ:

岡野内さま

書き込みありがとうございます。

焦らずに・・といっても、わたしも焦っていますし。
焦って、からまわりしている自分を許しつつ、焦ってやっていきたいなとおもっています。

よろしくお願いいたします。

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2009年01月08日 06:00に投稿されたエントリーのページです。

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