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米国模擬裁判

米国訴訟 模擬裁判形式セミナー№209S1

インターネット映像配信

参加してきた。
陪審のトライアルをかなりリアルに再現したもの。

日本の民事裁判を模擬でやると、ナレーションというか、解説が相当ないとわからないだろうが。

ディスカバリーで整理した証拠を中心に、ギリギリとしたやり取りを繰り返していた。
契約を無視してビジネス関係を解消されたヨーロッパの販売会社が、アメリカのコンピューターゲームメーカーを相手取った紛争である。

最後に陪審審議をアメリカ人5人、日本人5人それぞれ5分ずつ(?)行った。
結論としては、アメリカ人陪審も日本人陪審も4:1で原告勝訴となったが、その時間の使い方が違っていて興味深かった。

アメリカ人の陪審は、司会者役が、「互いに割り込みをしないというルールで進めましょう」と言って開始し、それぞれが一巡して話をした。立場と理由を説明するという役割もそれぞれが理解していた。その後、少しだけディスカッションになった。

日本人陪審は、司会者役が、いきなり「まずわたしから始めます」と言ってスタートした。そして、会社名を名乗って自己紹介をした。二番目の人がひとつ目の論点を話おわったときに、論点毎に言っていくことにしましょうと進め方の提案を司会者役が行った。日本人陪審は、全員会社名を名乗った。日本人陪審の話は二番目の論点を議論する暇もなく時間オーバーになった。

議論の中身としては、アメリカ人陪審も日本人陪審も同じようなところに指摘があり、理解度に差があったとは思えない。短い時間に端的に立場と根拠を述べるという話し方ができたのはアメリカ人陪審であり、日本人陪審はできなかったように見えた。

この案件で、調停だったらどういう展開になったろうとも想像したが、結局当事者の状況認識(自分がどの程度有利と考えているのか)にかなり依存する事件だろうと思った。

模擬裁判を見るなどして、裁判手続を良く理解すると、その限界が見えるので、調停の存在意義についても良く理解できるのではないかという気がした。

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2008年09月30日 13:34に投稿されたエントリーのページです。

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