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二弁主催のADR夏季勉強会(7月19日)

全国の弁護士会ADRセンターから参加がある全国会合に朝から終日参加させていただいた。

今年初めて参加させていただいたが、部外者にも参加を認めてくださっている。
こういうオープンな姿勢はとてもありがたい。
隣接士業の方の参加もあった。

第一部(午前中)は医療ADRについて、第二部(午後1)はADR法認証について、第三部(午後2)は、各支部の報告。

業界型ADRのひとつのあり方として、コンプライアンスしているかどうかを業者に立証させるプロセスを提唱していた方がいた。コンプライアンス遵守を立証できなければ、業者は責任を取らなければならないという考え方である。わたしにとって、この考え方は、とても面白いと思った。
消費者からすれば、裁判などよりも高いニーズを満たすことが、簡単な手続でできれば望ましい。業界に属する企業にすれば、確かに満たすべき水準は高くなるかもしれないが、同時に予測性が高くなる。業界で、自分たちが約束したことを守っているかどうかで判断されるというのは、企業側ユーザから見て、「辛いけれど納得できる」線になるだろう。業界を知らないものに「第三者から見た客観的な線」を示されるより、もしかしたら納得性が高くなるかもしれない。

もうひとつ、わたしが興味を引かれたのは、「事務局の負担」という話題だった。ある弁護士会で、受付になった職員が次々病気になったり辞職したりが続いたという。当事者からの申立を聞いたり、説明をしたりと、こんなに辛い仕事だと聞いていなかったと言うという。さもありなん。
手続管理者制度を医療ADRでは試みている。良い制度だが、弁護士の負担がさらに大きくなるので現実的でないというコメントも聞かれた。

弁護士会でも、いくつかの会で、立ち上げがまだだったり、立ち上げた後件数がほとんど増えていなかったりする場合がある悩みが語られていた。

今、弁護士会の中では、愛知県が最も件数を伸ばしている。
Webサイト:愛知県弁護士会 紛争解決センターのご案内を見ると、確かに充実している。Q&A書式集をとっても充実している。Webではわからないが、履行勧告までやっているらしい。

わたし自身は、弁護士会のADRの取り組みに、問題がないとは思わないが、しかし、20年近くも実践を続けているというその蓄積は貴重であるし、その活動はもっと社会の中で認知・評価されてもよいのではないかと基本的に思っている。

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2008年07月21日 11:39に投稿されたエントリーのページです。

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