伊藤絵美、向谷地生良(2007)『認知行動療法、べてる式』(医学書院)
「べてるの家」という北海道・浦河にある障害者の自立支援組織の活動のうち、特にSST(ソーシャルスキルトレーニング)を中心に、認知行動療法の観点で紹介したもの。
DVDが付いていて、SSTの様子が分かる。
べてるの家については、福祉の世界ではかなり有名な存在のようだ。
障害者が主体的に活動し、相互扶助を行い、経済活動としても成り立つようにしているという意味でも注目されているようである。
伊藤絵美氏は、2003年に働いていたクリニックを辞めて、いわば失業した時にべてるの家を見学に行ったのだそうだ。
伊藤絵美氏が、原因指向(ないしは原因除去指向)でもなければ、単純な解決指向でもない、問題指向を持つことが大切だと言っている。言ってみれば、「問題を生きる」ことを重視する考え方だ。
こういうものを見ていると、エンパワーってなんだろうなぁと思う。
少なくとも「開かれた質問」だけじゃあないだろう。
もやいがやっているような、生活保護申請の同行とかこそ。とか。
べてるなんかでもSSTの活動なんかより、昆布の袋詰めを手伝ってくれることが役に立つ場合だってあるに違いない。とか。
とはいえ、行動主義で力尽きててはエンパワーにはならないだろうし、と、グルグル考える。