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ADR法についての本

和田仁孝・和田直人他(2008)『ADR認証制度 ガイドラインの解説』(三協法規)

少し前に出たことは知っていたのだが、やっと入手した。

隣接士業のADR法認証をめぐる議論が中心。
和田仁孝先生が、かなりはげしく日弁連ガイドラインを批判している。また、中村芳彦先生が、弁護士会内でADR法認証を取ることに対する積極説と消極説を、これまたかなり激しく論じている。

個人的には、白鴎大学の和田直人先生が、ベクトルの違う形で鋭い議論をされているのが興味深かった。
また、愛媛土地家屋調査士会の岡田潤一郎先生が、ひとりでやたらと愛のある文章を書いておられる。ADR法の認証も、こういう形なら意味があったという事例だろう。

札幌の司法書士会での、調停人の能力査定の仕組みが紹介されていた。
評価項目として、①話を聴く姿勢、②傾聴、③適切な質問法、④いいかえ・要約の活用、⑤感情の反映という5項目が設定されている。

札幌の試みは自分たちでなんとか理にかなった親切な対応をしようという試みとしてすばらしいものだとおもう。しかし同時に、調停人の能力査定と、受容・共感的なカウンセリングの能力査定が同一になっているところに、現在の対話型とか促進型とか自主交渉援助型とか呼ばれているものへの理解の限界を感じる。

少なくとも、米国でのものとは大分違うということは言っておかなければならないと思っている。

アメリカの例としては、例えば、以下を参照。
The Test Design Project
ヴァージニア州・メンティー評価シート
Department of the Navy Mediator Certification Program

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2008年06月06日 09:35に投稿されたエントリーのページです。

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